幼馴染は難しい

第五話 ページ6

勇次郎side



きっかけは、去年の冬まで遡る……






勇「えっ？ロメオでA……じゃなくて杏と共演？」



やった！ついにAと共演出来る！



待ちに待っていた瞬間がやっと来て、僕は舞い上がった



しかし、それは隣にいるコイツの存在が頭になかったからである



次の瞬間、僕は冷静になった



愛「お前、呼び捨てだけどそいつと仲良いの？」



この言葉が聞こえてきたから。



コイツは柴崎愛蔵。



僕と愛蔵は、二人でLIP×LIPというアイドルユニットを組んでいる



ただ、勘違いしないでもらいたいのは、僕達は仲がいいから組んだのではないということだ



僕はコイツが嫌いである



だから、



勇「うるさい。関係ない」



と素っ気なく返す



愛「ふーん」



そう。愛蔵は僕達の関係なんて知らなくていい



それに、さっきは思わず舞い上がったけど、これを機に愛蔵とAが親密な関係になったら嫌だな…



もう決定事項なんだろうか？



マ「もう決まった訳じゃないのよ？どうですかっていう提案なんだけど、どう？」



決定ではないんだ……ﾎｯ



マ「一週間後には決めるようにしてね」



勇/愛「分かりました」



さて……どうしよう？



Aと共演はすごくしたい



ずっとしたいと思っていた



でも愛蔵がなぁ……



愛蔵はどう思っているんだろう？



勇「お前はどう思う？」



コイツは女嫌いだし、女優と共演なんて嫌かもしれない



でも愛蔵は、



愛「俺はいいぜ？」



と言った



おいおい、どうしたんだよ……



僕は気になって、



勇「ふーん。珍しいじゃん。なんで？」



と聞いてみた



すると



愛「だって、桜杏といったら超売れっ子女優じゃん？俺、一回共演してみたいって思ってんだよな。」



勇「お前女嫌いじゃ無かったっけ？」



愛「まぁそうだけど、気になるじゃん？」



勇「なにが？」



愛「桜杏って俺たちと同い年だろ？そんであれだけの演技力だ。共演すれば、勉強になるかもしれない」



……なんだ、ちゃんと考えてんじゃん



ちょっと見直したかも



これなら大丈夫かな？



愛「そういうお前はどうなんだ？」



勇「癪だけど、お前と同じ意見」



愛「パクるんじゃねーよ」



勇「パクってねーよ」



前言撤回。



僕はやっぱりコイツが嫌いだ

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ついに愛蔵君登場です！

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