第132話 ページ43
1人残された地下室でため息をつく。
「恵の告白……断らないとな。恵にも危険な目に合わせたくもないし、なんなら五条先生にGPSまでつけられたし。」
なんて断るための口実。
恵のことは大切だし、好きでもある。けれどその好きは恋愛を含まない好きだ。
本当に俺はクズだ。
俺は覚悟を決めて恵の部屋へと向かった。
恵の部屋の扉を叩くと恵が出てきてくれた。
「海斗さん？任務帰りですか？疲れた顔してますが……。」
あ、そうか恵達は知らないのか俺の親父が殺されたことは。
「ま、まぁそんなところ。で恵に返事をしておこうと思ってさ。時間大丈夫？｣
「あぁ。ここではなんですから入ってください。」
恵に促されて俺は部屋へと入った。
俺は机の前に座ると、お茶を出してくれる恵。
「俺……あれから色々考えたんだ。」
「はい。」
「どんなに考えても恵……。恵のことを恋愛感情で見れなかった。」
「そうですか。」
「その……ごめ「謝らないでください。俺が勝手に海斗さんを好きになった話で、無理に好きになって欲しいわけじゃないので。」恵……。」
「薄々分かっていたんです。でも少しでも可能性があるならと。その可能性に掛けてみただけですから。今後も同じように接してくれたら俺はそれで嬉しいです。」
「っ……。」
傷ついた表情をした恵を抱きしめたくなったが、グッと堪えた。ここで優しく抱きしめては恵をさらに傷つけることになる。
でも何もせずには居られなかった。
「恵。元気が出る魔法かけてやる。」
「魔法？」
恵の襟元を掴んで引き寄せると額に唇をおとす。
「は？」
離れると顔を赤く染める恵がいた。
「ふっ、顔真っ赤。元気がでたかよ？」
「っー……。出るかボケ。」
「ははっ、でも恵。ちゃんと俺は恵のことも大切だからさ。あまり自分を卑下しないでな。」
「分かってる。じゃあ、1つ俺のワガママ聞いてくれるか？」
「ん？いいぜ。」
「一緒に寝てくれ。」
「ん？んんん？！」
「それぐらいいいだろ？」
「お、おぅ？」
いいのかどうか疑問に思ったが、恵が俺にお願いをしたのだと思うと断れなかった。
俺は恵に手を引かれて一緒にベッドに体を預けた。
「おやすみ、恵」
「あぁ。おやすみ。」
一緒に布団を被り、恵が俺に抱きつくようにして腕を回してきた。
「かわいい。」と思い、俺も抱きしめ返して眠った。
続く (更新停止中)
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紫陽花(プロフ) - なうねうさん» ご指摘ありがとうございます。対応させていただきます。 (2021年2月28日 20時) (
レス) id: 3b41d3a8b8 (このIDを非表示/違反報告)
なうねう - オ-リ-ジ-ナ-ル-フ-ラ-グ-が立っています。ルール違反ですので外してください。 (2021年2月28日 15時) (レス) id: 7dc0e72ef0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫陽花 | 作成日時：2021年2月27日 15時
