第129話 ページ40
「おかえり海斗。」
門の前で五条先生が怒気を含んだ声でそう言った。
「ただいま、先生。全部話すよ。だけど少しだけ時間が欲しいんだ。」
親父の遺骨が入った壺を見せれば五条先生は「地下室ね」と待ち場所だけ言って学校の中へ入っていった。
俺は壺を部屋へと持ち帰り、机の上に置いた。
「ごめん親父。帰る家は警察の調査で入れないし、墓もねぇしさ。こんな場所では眠りにくいだろうけどしばらくここで眠ってくれ。後でちゃんと用意するから。」
手を合わせて数秒黙祷を捧げる。
「うし、じゃ親父。行ってくるわ。大丈夫、まだみんなの約束果たすまでは壊れる訳にも死ぬ訳にもいかねぇから！」
俺は五条先生が待っているであろう地下室へと向かった。幸いその間に誰も会うことは無かった。
地下室にたどり着けば五条先生はソファに座っていた。俺は黙って五条先生の隣に座る。
「えっと……。ごめんなさい。外出禁止だって言うのに外出してしまって。それから、五条先生に連絡もせずにすみませんでした。」
「……それで？」
「あー……その……。」
これは、今までに見たことないぐらいに怒っている。
殺気に近いものをすぐ隣で感じるし、息が苦しくなるほど空気が重たい。
でも悪いのはこの俺だ。
俺は親父が呪霊によって殺されたこと、祟り神になったこと、親父が残してくれたものが母の形見だったことを話した。蘇生を試みたことは伝えなかった。もし伝えたらそれこそ外出禁止どころではなくなってしまう気がした。
「……。」
「本当にすみませんでした。」
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紫陽花(プロフ) - なうねうさん» ご指摘ありがとうございます。対応させていただきます。 (2021年2月28日 20時) (
レス) id: 3b41d3a8b8 (このIDを非表示/違反報告)
なうねう - オ-リ-ジ-ナ-ル-フ-ラ-グ-が立っています。ルール違反ですので外してください。 (2021年2月28日 15時) (レス) id: 7dc0e72ef0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫陽花 | 作成日時：2021年2月27日 15時
