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第94話 ページ1

「君の心は壊れているね。」

後ろから抱きしめて耳元で囁かれ、ビクリと肩を震わせた。

「す、傑……。勝手に出てくるなよ。」

「いいじゃないか。今は誰もいないんだから。それより、私はもっと君の事が知りたくなった。」

「へ?」

「心は壊れているのに何故君はそうして笑っていられる?」

「……約束したからさ。」

「約束?」

「そ。五条先生から最強を奪うこと、友人や仲間、家族を守ることを約束したんだ。その約束が果たせるまで俺は壊れるわけにはいかねぇし、死ぬわけにもいかねぇ。」

「君の中にいる間に色々見せてもらったよ。雪斗って誰だい?」

「な?!」

心中を勝手に!と思ったが、そもそもこの傑の肉体を形成したのは俺の呪力であり、姿を消せば俺の中に戻るのは当たり前かと納得する。

「元恋人。今は死んじまった。いや……俺が殺した。てか、傑ばっかり俺の事知っていくとかずるくね?傑のことも教えろよ。傑はなんで呪詛師になんかなったんだよ?」

「ハハハ。その話は今度にしようか。」

「なんでだよ。あ、いや……話したくないこともあるよな。わりぃ。」

「この話をしても私は構わないのだけれど、この話を聞いたら君はきっと暴走しかねない。」

「いや、俺そんな短気じゃねぇと思ってんだけど。まぁいいや。つか君君ってよそよそしいから海斗って呼べよ。俺だって傑って呼んでるんだからさ。」

「いいのかい?」

「あぁ!」

クスクスと傑は笑って俺が座っていたソファに座る。

まだ傑とは出会ったばかりと言うのにこんなにも心が温かくなるのはきっと傑が聞き上手だからかな。

俺も少しだけ傑のことが知りたいと思った。

第95話→



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紫陽花(プロフ) - なうねうさん» ご指摘ありがとうございます。対応させていただきます。 (2021年2月28日 20時) (レス) id: 3b41d3a8b8 (このIDを非表示/違反報告)
なうねう - オ-リ-ジ-ナ-ル-フ-ラ-グ-が立っています。ルール違反ですので外してください。 (2021年2月28日 15時) (レス) id: 7dc0e72ef0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫陽花 | 作成日時:2021年2月27日 15時

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