24話 見てるこっちもド緊張 ページ26
.
お互いエンドラインでの整列、ピーという音と共に両者駆け寄る。
この眺めを外から見るのも存外悪くない。
一人スコア表片手に立ちながら彼らの様子をじっと見ていた。
「……んん!?あのみかんヘッドくんMB!?」
ガタン、思わず前に身を乗り出しその姿が本物であることを確認すると目を丸くする。
リベロかと思ってたけど違うんだ。
「…ほえぇ、流石は烏。何でもやるなぁ。」
こちら側からのサーブ、松川先輩が投げたボールは一番、向こう側のキャプテンの方へ。
堅実なイメージが強い向こうのキャプテン、恐らくレシーブがすっごくうまいんだと俺は勝手に解釈した。うん。
型も綺麗にボールの落下地点まで素早く移動するとアンダーを構える。
「任せ_…」
「!?」
「………は?」
向こう側全員が驚く中ボールをあげたのはみかんヘッドくん。
無理な体勢でとったためかボールは虚しくも向こうの方向へ。
「バカか!どう見てもおめーのボールじゃねぇだろ!!」
「ごめんなさい!!」
「縁下カバー頼む!」
おうおう、なんか慌ただしいな向こうは。
こちらと言えば3枚ブロックで坊主くんをドシャット。
…こらこら、だから敵チームを煽るな金田一。
「あの、みかんヘッドくん……もしかして初めて試合出たとか?」
完璧ありゃ緊張しすぎでテンパってんな。
気持ちすっげぇわかるよみかんヘッドくん。
何もかも全部しなきゃって気持ちになるよな。うんうん。
試合は進みに進んであともう少しでこちらのセットとなる頃。
「てめええ!!いい加減その緊張やめろォォ」
「すきで緊張してんじゃないだろバカか!」
みかんヘッドくんは相変わらずな感じで試合に出ていた。
ここまで来るとマジで変わってあげたいってなるわ。見てていたたまれない。
「(でも、緊張してる奴をずっと入れっかな。)」
先程からの疑問点。確かに俺らとは違って人こそ少ないが、向こうは向こうでちゃんと控えがいる。
あの人数なら一人や二人ミドルブロッカーがいてもおかしくはない。
何かを隠し持っている。
それか、単に慣れさせるためだけか。
__バチコーン
考えに囚われふと、上を見上げるとこちらへ転がってくるボール。
動揺する主審とピーと告げるセット終わりの音。
……あれ、もしかしてみかんヘッドくん…影山にボール当てた…??
.
335人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
来夢*゚(プロフ) - サハラさん» こんばんは!初めまして!ありがとうございます〜伏線たくさん張り巡らしていくので是非お楽しみにしていてくださいー!!笑 評価押して下さって感謝感謝です笑 (2018年2月9日 21時) (レス) id: 522dbc585e (このIDを非表示/違反報告)
サハラ(プロフ) - 評価が何回でも押せるシステムになればいいのに…足りない! (2018年2月8日 23時) (レス) id: 13609947da (このIDを非表示/違反報告)
サハラ(プロフ) - とっても続きが気になります…! (2018年2月8日 23時) (レス) id: 13609947da (このIDを非表示/違反報告)
来夢*゚(プロフ) - 葉月葵さん» 私も見てくださったあなたが好きでs…(やめろ)初めまして!コメントありがとうございます〜!そう言っていただけるととっても嬉しいです!これからどうぞ見てやって下さいね! (2018年2月8日 19時) (レス) id: 522dbc585e (このIDを非表示/違反報告)
葉月葵 - 超好きです(唐突の告白)応援してます! (2018年2月7日 22時) (レス) id: ee087b9bef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:来夢*゚ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/raimu2/
作成日時:2018年2月4日 13時