10話 らっきょくんとセンター分け ページ12
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時は巡って次の日の放課後。
ほぼミーティングで終わった暇な授業を終えればちらりと机の中から伺える一枚の紙切れ。
そこにはしっかりと入部届を示す文言と俺の名前がしっかりと書かれていた。
「……お?お前昨日いないと思ったらバレー部行ってたのかよ!」
「おー、つってもバレー部のマネだけどな。」
「は?マネ!?何で。」
「それしかできねぇから。でもなんかかっけーし。」
「マネなんてこき使われるだけだぜ?」
「で、木村どこ行くの。」
「俺様はサッカー部のエースになる男だからな!もちろんサッカー部だ!」
ほぉ、サッカー部といえば俺に話しかけてきたあのサッカーできそうな顔先輩がいるじゃないか。
…いや、多分永遠に会うことなんてねぇだろうけど。
「そーやってエースになろうとするやつは絶対なれないの法則。」
「うっせぇな群青!」
「事実は事実〜。」
手をひらりと翻せば自分で言っておきながら過去のことを思い出して何となく気分落ちる。
木村よばっさり斬っちゃって、申し訳ない。
「そんじゃ、マネくんを置いて俺はサッカーの練習に行きますかな〜。頑張れよ雑用。」
「誰が雑用じゃボケ。」
そのまま肩にかけたエナメルバッグを持って、木村は俺に嫌味をひとつ言うと去っていった。
俺も行くか、と廊下に出ればばったりらっきょくんとセンター分けくんに遭遇。
たどたどしく手を上げ「おう。」とだけ一言。
「これから二人とも体育館?」
「そうだけど…ってお前も一緒?」
「うん、一緒。」
どうせならこれについて行こうかと隣にぴったり密着するとお互いの自己紹介が始まった。
「俺、らっきょじゃなくて金田一勇太郎な。」
「じゃあ俺はお母さんじゃなくて群青Aな。」
「……国見英。」
「お、センター分けくんは国見っつーのか。昨日のレシーブすっごくかっこよかった!」
「…別にあれくらい普通じゃん。」
もぐ、と何か咀嚼しながらだるそうに肩を落とす国見に目線をやりながらも少しずつ近づいてくる体育館。
「てか、群青マネなの?」
「おん、マネだけど。」
「他に何か無かったのかよ。」
「及川先輩のサーブに惚れたそれだけ。」
「ふーん。確かに及川さんのサーブすげぇもんな。」
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来夢*゚(プロフ) - サハラさん» こんばんは!初めまして!ありがとうございます〜伏線たくさん張り巡らしていくので是非お楽しみにしていてくださいー!!笑 評価押して下さって感謝感謝です笑 (2018年2月9日 21時) (レス) id: 522dbc585e (このIDを非表示/違反報告)
サハラ(プロフ) - 評価が何回でも押せるシステムになればいいのに…足りない! (2018年2月8日 23時) (レス) id: 13609947da (このIDを非表示/違反報告)
サハラ(プロフ) - とっても続きが気になります…! (2018年2月8日 23時) (レス) id: 13609947da (このIDを非表示/違反報告)
来夢*゚(プロフ) - 葉月葵さん» 私も見てくださったあなたが好きでs…(やめろ)初めまして!コメントありがとうございます〜!そう言っていただけるととっても嬉しいです!これからどうぞ見てやって下さいね! (2018年2月8日 19時) (レス) id: 522dbc585e (このIDを非表示/違反報告)
葉月葵 - 超好きです(唐突の告白)応援してます! (2018年2月7日 22時) (レス) id: ee087b9bef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:来夢*゚ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/raimu2/
作成日時:2018年2月4日 13時