第2話『無差別殺人機関』 ページ2
「どこだよここ…！」
Aは血の様に真っ赤な空を見つめてそう言った。
「なんか、血の匂いみたいな匂いがする…」
谷津葉が空気の匂いを嗅ぎ、下を向いて言った。すると、優雨も顔をしかめ、口と鼻を手で覆った。そんな二人を見て、颯瑠が話し出す。
「まぁ、アルカディアのエラーが起きたんだ。人類が滅亡して、壊滅状態にある世界へ飛ばされた可能性はあるからな。」
颯瑠は話しながら地面の石を手に取ったが、灰のように崩れてしまった。
「本当にこの世界は何なんだよ…」
その光景を見たAが手を握った。
「颯瑠！この世界がどんな場所なのか知る方法はないの！？」
谷津葉が颯瑠に聞いた。だが颯瑠は首を横に振っている。
「なぁ颯瑠。お前アルカディアを管理してんだよな？」
そう言ってきたのは優雨だった。
「だったら、エラーが発生したって対処くらい出来んだろ！？しかも、この世界がどんな所はわからない状態で俺たちにこの世界を彷徨えって言うのかよ！？」
優雨は颯瑠に怒鳴った。そんな中四人の目の前に宇宙船の様なものが降りてきた。
「おい！なんか来たぞ！」
二人のケンカしそうな雰囲気をぶち壊すようにAが宇宙船を指さした。
その宇宙船からは四人の人間が降りてきた。
そして、左から二番目にいた赤髪の男が喋り出した。
「ようこそ。別世界の住人さん。私はマッドネス･アルファルドという者です。」
宇宙船から降りてきた人間達に四人は驚いていた。そんな驚く顔を見ながら一番右にいる白髪の少年が自己紹介を開始した。
「僕はティーファルと申します。」
その隣の金髪の少女もそれに続く。
「私はミラよ！」
最後に銀髪の少年がこう言ってきた。
「僕はエリック･ストロングです。あなた達はこの世界にいない方が良い。早く自分の世界に帰って下さい。」
その言葉を聞いた優雨が四人に向かって怒鳴った。
「帰ることが出来たらとっくに帰ってるよ！こんな世界。でも帰れねぇからここにいんだよ！」
その後も何かを言い出しそうだったが谷津葉に止められその隙にAが四人に聞いた。
「この世界はどのような世界なのでしょうか？そして、あなた達は一体、何者なのですか？」
それに答えたのはマッドネスと名乗る男だ。
「この世界は、私達が生きる世界。あなた達からすれば、異世界。私達からすれば、現実世界です。」
その言葉を言い終わり四人の様子を伺い、さらに話し続けた。
「私達は、『ゾーク』という、『無差別殺人機関』です。」
第3話『出会うはずの無い者達』→←第1話『交わる事のなかった２つ』
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作者名：はひりフユ x他1人 | 作成日時：2017年7月17日 20時
