ゼロミッション～プロローグ～ (ページ13)

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第13話『ゾークストロング』ページ13

消えない悲しみ、消したい憎しみ、消えた欲望、消せない思い出。全てが絡み合った時に生まれる、最強のスレイヤー。
それだと思われたスレイヤーには【ストロング】という名が与えられる。

「ねぇー。そろそろホントの事話してもいいかな？」
ミラが髪の毛を指に巻き付けながらティーファルに聞いた。
「良いのではないでしょうか？1つ目の目的は果たせたことですし。」
スペースワゴンを運転しているティーファルはミラを横目に見ながら笑顔で言った。
「そっか！そうだよね！話してくる～♪」
ミラは喜びながらそう言い、走って春輝達の元へ向かった。
屍を飛び越えながら春輝とマッドネスの元へたどり着いた。
「春輝！聞いて！本当の事を話したいの！！」
ミラは訴えるように言った。
「何のこと？」
春輝は何も分からずアグラをかいたままミラの方へ顔を向けた。
ミラは、落ち着いて話し出す。
「私とティーファルの目的はあなたをゾークに入れることだった。実を言うと私とティーファル以外も関わってるんだけど。まぁ、それは置いておいて、覚えてないかもだけど、あなたのお父さんを殺したのは私じゃなくて、ティーファルなの！」
春輝は目が大きくなり空いた口が塞がない状況になってしまった。だが、そんなこと気にもとめず、ミラは話し続ける。
「私は親友のお父さんを殺すなんていう任務は受けられなかった！」

ー宮下祐也、春輝の父親である、宮下拓郎の任務を君に任せたいと思う。
なぜ私なのです？
親友に自分の父親を殺された絶望で彼はきっとゾークに入るだろう。
無理です！私も両親を殺された身なので…
親友のお父さんを殺す事は出来ません！
そうか、なら仕方がない。ティーファルにでも頼むか。すまないな。両親の死を思い出させてしまって。

「それで、ティーファルが殺した後に私が殺した事にすれば、私がおじさんを殺すこと無く、あなたをゾークに入れることが出来ると思ってたの！」
ミラの目には何故か涙が浮かんでいた。
「優香、いや、ミラ。なんで泣いてるの？」
春輝は優しい笑みを浮かべ、ミラを見つめた。

「みなさーん。もうすぐダンケルハイトへ到着で…す…って僕来ない方が良い状況でした？」
何かを察したようで頭を掻きながら言った。
「大丈夫よ！問題ない！」
ミラが威張り気味でそう言う。
するとティーファルは
「それでは春輝さん、あなたを今日から、エリックストロングとします！」
と言った。その場にいる全員が驚きを隠せていない状況になった。