ゼロミッション1-ONE- (ページ8)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:920 hit

第5話『探してた光』ページ8

「何っ！そいつは今、どこで何をしてるんだ！」
白髪で眼帯をつけている男が部下らしき人物の胸ぐらを掴んでいる。
「ダンケルハイト110番地のCAマンション696号室に住んでいるというデータになっております…」
部下らしき人物は男の怒鳴り声に少し怯えているような喋り方をしていた。男はその住所を聞くとすぐに胸ぐらを掴んでいた手を離し、冷静で落ち着いた表情を見せ、少々涙ぐんでいた。
「これでようやくあいつに会えるんだな…。待っててくれ。春輝…」

「ゾクラスに育てられたって何？」
ミラが眉間にしわを寄せ鋭い声で問い詰めるようにしてマッドネスに聞いた。
「文字通りそのままなんですけど…？」
先程まで早口で自分の過去を必死に語っていたマッドネスは少し疲れたような言い方であった。
「いやいやいやいや。そんな事誰でもわかるっつーの！私が聞きたかったのはあんたがどうしてゾクラスに引き取られて育てられたかって事！」
マッドネスのバカっぷりに少し呆れながらも強くミラは言う。するとマッドネスは特に何も感情の入っていない適当な言葉で返した。

「あいつが親殺したからだろ」

適当な言葉だ。だが、なぜかミラは意味のある言葉に感じた。親を殺されたのは自分も同じきっとここにいるみんなも。なのになぜマッドネスだけがゾクラスに保護され、育てられたのか…

そんな事を考えていたらぼーっとしていまっていた。
「おいっ！お前何回顔叩いたら現実帰ってくんだよぉ！勝手にミラさんワールドオープンにしないで！」
自分の過去を話してしまったせいでミラが何かを考え少し悲しんでいるように見えたマッドネスは必死にその場を紛らわそうとした。

「あぁ！ごめんね！変な考え事してた！それより早く帰んないと！！面白いドッキリ番組やるからぁ！」
気を使って場を盛り上げてくれたマッドネスに感謝しながらマッドネスのノリに乗ったミラだった。

そんな頃エリックたちの元では…

「変なのが来ちゃった…」

「Meが何かFunny?それよりHelp！NowもSayだけど、MeのStarが無くなった！Oh....」

とりあえず声も動きもうるさいこのカシムエリクソンとかいう男をどう処分するかに頭を悩ませていた。

ピンポーン

そんなところでインターフォンがなる。
「俺が出るよ」
エリックはカシムから逃げるようにしてインターフォンへ向かった。

「ダンケルハイト星役所役員のエクスティンというものだ。ここにエリック・ストロングはいないか。いたらでて来てくれ。」

その声は確かに昔聞いていた声だった。