第1話『星の光と孤独な君』前編 ページ1
それはまだディザイアがゾークに入ってきたばかりの話だ。
「君に試練を与えよう。」
白髪短髪でフードをかぶった男は歩きながらそう言った。
「本当ですか？」
ディザイアは嘘かもと疑い、本当かどうか聞いた。
「あぁ、そうだよ。」
フードの男は不気味な笑みを浮かべてそう言った。何かを裏があるかもしれないがそんなことディザイアには気づけなかった。
「どんな試練なのでしょうか？」
『任務』では無く『試練』と言われたことに対しての違和感は感じたようでディザイアはフードの男に聞いた。
「君は優しいからね。君はゾークにいてはいけない。」
この言葉にディザイアはショックを受けた。そんな事はお構い無しに男は話し続けた。
「でも、この試練を乗り越えられたらゾークのスレイヤーとして認めてあげよう。」
男はそう言い両手を広げた。
ディザイアはスレイヤーになれるならどんな試練でも受けると伝えた。
だがその試練はとても辛い試練だった。
それから2日の時が過ぎ、ディザイアは試練のために地球へ向かった。
そして、ディザイアは泣きながら試練を果たした。
その日の夜、スレイヤーによって1500人が殺されたと、報道された。
「おめでとう。君は今日からスレイヤーだ。」
男はそう言ってディザイアの元へ歩いてきた。
ディザイアは、涙と血で顔が崩れていた。
その1年後
ディザイアはまだスレイヤーには新人と呼ばれていた。新人と言われる理由もディザイアは、分かっていた。それは、任務をほとんど受けていないからだ。そこでディザイアは『イヴィル』と呼ばれる、宇宙の中の七つの星に散らばっている物を集める事にした。イヴィルはすべて集めた者を今までと真逆の性格にしてしまうものだった。
「君ってさ本当に面白いよね！？この世のイヴィルを全部集めるとか無理だよ。」
赤髪の青年、マッドネスは椅子に座りながらそう言って、体を前後に揺らしていた。
「でも、僕にはイヴィルが必要なんです！」
ディザイアは、必死に言った。
「君のような『ルミナ』がスレイヤーとして生きれるわけないもんね。イヴィル集めたら人を殺しまくれるようになると考えた？」
マッドネスはそう言い、笑っていた。
「僕は本気です！」
ディザイアが叫んだ。すると、マッドネスが黙り、この部屋に沈黙が訪れた。
「ルミナという言葉の意味を知ってるかい？ディザイア。」
いきなり真面目に話し出したマッドネスに戸惑い、何も言い返せなかったディザイアだが、マッドネスは話し続けた。
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作者名：はひりフユ | 作成日時：2017年6月25日 9時
