検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:20,547 hit

ページ4

いつもの様にコートの外から男子テニス部を眺めていると、目の前に大石先輩がやってきた。

「最近いつも見に来てるよね?部活行かなくて大丈夫なのか?」

「あ、はい!やめたんで!」

先輩は驚いた顔をして「そうなんだ…」と呟いた。その表情が面白くてクスクスと笑うと、先輩は恥ずかしそうに顔を赤くした。

「越前を見に来てるんだよね?」

「え、はい、もしかして付き合ってることバレてる感じですか?」

「逆に隠してたんだ…」

皆知ってるよと先輩は苦笑いしていた。
みんなにバレてたのか…。
恥ずかしさのあまり顔に熱が籠るのがわかる。

「あはは、毎日来るならいっその事マネージャーやらない?」

まさかの副部長じきじきに言ってくださるなんて…。

「Aちゃんが入ってくれたら俺達も助かるし、何よりも越前の傍にずっと入れるんじゃないか?」

マネージャーをやれば確かにずっとそばにいれるかもしれない。
でも、たくさんの人と話すとか無理すぎる。怖すぎる。しんどすぎる。


それに…









彼女はベンチに座り再びコートに目を向けた。越前を愛おしそうに眺めている。
そんな幸せそうな彼女の姿をみて、不思議と笑みが零れた。

俺もそろそろ戻るかな…。

コートに着くとこちらを睨む視線が1つ。

「越前、その目やめてくれないか?」

「大石先輩…別になんでもないっすよ。」

さっきの見てたんだな。
面白くて笑うと越前はさらに不機嫌になる。

嫉妬か。
そんな甘酸っぱい響きがなんだか羨ましく感じる。

「さっき彼女をテニス部のマネージャーに誘ってみたんだ。そしたらなんて言ったと思うか?」

越前が首をかしげる。
分かっていないようだった。


『その誘いは嬉しいんですけど。私、リョーマくんのこと好きなんできっと特別扱いしたり、優遇しちゃいます。なので遠慮しときますね!』


だってさ、そりゃマネージャーなんて務まるわけないか。
そう言えば案の定、帽子の下を見れば顔を真っ赤にさせていた。

〇→←〇



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (28 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
46人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みみみみみ | 作成日時:2019年4月14日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。