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それを聞いた不二先輩は満足そうに微笑むと私の頭を撫でてくれてた。それは不思議とこわくなんかなかった。
「君にすべてを教えてあげる」
そういうと彼は私にすべてを教えてくれた。私の知らなかったすべてを。
桜乃ちゃんがどれでけ辛かったのかも全部。
廊下を駆け出す。
沢山の思いで涙が出そうになるが、今はそれどころではない。テニスコートにつくとそこには大好きな女のコがたっていた。
「桜乃ちゃん!!」
そう叫べば彼女は驚いたように私をみる。それと同時に周りの人が私を見る。
視線が痛くてここから逃げ出したくなるがここで逃げたら何も変わらない。目の前の彼女の手を
握り手を引く。
「あなたと・・・桜乃ちゃんと話したい!」
そう言うと彼女は微笑み首を縦に振ってくれた。
大きな木の下で桜乃ちゃんと二人。まっすぐに見つめる瞳は緊張を走らせた。気持ちを振り絞って口を開く。
「私、知らなかった。桜乃ちゃんが傷ついてたこと。なやんでたこと。何も知らなかった。」
ごめんなさい。
謝ると彼女は困ったように笑いながら私の手を引いてくれる。
「Aは悪くないよ。」
どうして彼女はこんなにも優しいのだろうか。あの時だって私が苦しくて悲しくて、どうしようもないときに傍にいてくれたのに。なのに私は・・・。
「貴方を守ることができなかった・・・。貴方の傍に一番いなければならない時に傍にいて上げられなかった。」
「なら、これからずっと傍にいてよ。Aちゃんが友達でいてくれるならそれでいいの。」
とびっきりの笑顔で笑う彼女があまりに眩しくて優しかったから涙を流さずにはいられなくて。拭っても拭っても止まらなかった。すると桜乃ちゃんはそっと私の体をそっと抱きしめてくれた。私がそれに答えるように抱きしめ返すと彼女は何も言わずにさらに強く抱きしめてくれた。
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作者名:みみみみみ | 作成日時:2019年4月14日 23時