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教室を掃除しながら外を覗くと運動部の人たちがそれぞれの活動に専念していた。
それをぼーっと見ながらほうきでごみをはいていると、後ろから声が掛かった。


後ろを振り向くと目の前には朋香ちゃんの姿があった。
その様子をみると彼女は機嫌が悪そうに私をみる。


その顔に怖くなり目元が熱くなる。
彼女に何かをしてしまったのかもしれない。嫌われるかもしれない。
怖くなり全身が震えるのがわかる。


「なんでAが泣きそうになってるのよ。」


そう言われても何も答えることができず、俯くと痺れをきらしたのか両手で私の頬を掴み、顔をグッと近づける。

「本当に何も知らないのね。なんで桜乃のこと避けるの?」

「それは竜崎さんのほうでしょ。だってあの日だって私のことを・・・。」

そう言えば彼女はさらに怒り出し私をギロリと睨んだ。

「これ以上桜乃の気持ちを踏みにじらないでよ!どんな気持ちで今まで桜乃がAに話しかけていたのか分かんないの?桜乃は何度も何度もAのことを」

「ちょっと静かにしてくれないかな。」

涙が一粒こぼれたと同時に窓の付近から声が掛かる。
そこには不二先輩がにこにこと笑いながら朋香ちゃんに近づく。そして耳元で囁くと朋香ちゃんは悔しそうな顔をしながらスタスタと歩いて外に出て行った。
何が何だかわからずにその場に崩れ落ちると不二先輩が口を開いた。

「君は竜崎さんのこと、どう思ってるんだい?」

「私は・・・彼女のことを」




どう思っているのだろうか。

彼女が私のことを嫌いと知ったあの日から。彼女の傍にいなくなったあの時から。私はずっと憂鬱な日々を過ごしていた。

周りの人たちの言動、行動。すべてを合わせて嫌われないように、ハブられないようにしていた。
そんな日々はあまりにもつまらなくてあまりにも辛かったんだ。


そんな毎日を変えてくれていたのは誰?

励まして支えてくれていたのは誰?


ずっと一緒傍にいてくれたのは誰だった?


そんなものもうわかっているじゃないか。気づいているじゃないか。
本当に私を救い出してくれた人が誰なのかなんて・・・。


目から流れるそれを拭いながら目の前の彼の眼をまっすぐとみる。



「私は、桜乃ちゃんのことが」



好きだ。大好きだ。



その瞬間、胸に幸せな気持ちが胸をいっぱいになって、溢れ出したこれは勢いよく私の心を包み込んだ。

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作者名:みみみみみ | 作成日時:2019年4月14日 23時

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