あんたの笑顔が。【越前リョーマ】 (ページ1)

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いつも通り学校へ向かっていると、目の前に桜乃ちゃんがいることに気づいた。

彼女の後ろ姿を見た瞬間、心が舞い上がったのがわかる。

「桜乃ちゃん、おはよう！」

「Aちゃん…おはよう！」

相変わらず眩しい笑顔をみると、やっぱり安心感があり、昨日の暗い気持ちがまるで夢のように思えた。

「もう、具合は大丈夫なの？」

そう聞くと彼女は歩くのをやめた。
何かあったのかと聞けばとすると「なんでもない｣といいへにゃりと笑うのだった。

「早く学校行かなきゃ、遅刻しちゃうよ！」

そう言うと彼女は手を引く。
そして、門の前に着くと手を離し、こちらを真剣な顔でみる。

「私は大丈夫だから」

それは何に対してなのだろうか。
もう、具合が悪くないということ？
それとも、別に彼女がなにか抱えてるのか？

不安に思っていると、それに気づいたのか彼女はまた、私の手を握る。
その手は小さく、でも暖かかった。

「何があっても、ずっと友達でいてね」

私はその答えに「もちろんだよ！」と答える。
するとやっぱり彼女は寂しそうに笑うのだった。