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それは入学式の日。
テニスのコートで見つけた時、すぐにあの時のあいつだってことに気づいた。
彼女は相変わらず笑顔で、でも少し寂しそうだった。そんな彼女をみて、なんだか心が痛くなった。
『Aちゃん!』
隣の三つ編みの女が彼女を呼ぶ。
その姿を見るとさっきの寂しそうな笑顔が消えあの時の眩しい笑顔になっていた。
そんなあいつの顔が1番見たかった。
でもそれと同時に俺に向けてないことに気づく。胸がモヤモヤした気がした。
それから何日かたった時だった。
あいつはいつも笑顔で学校でも人気者でみんなの中心にいた。
偽った笑顔。それは直ぐにわかった。
だっていつも泣きそうな顔をしてるから。
無理をしてる。
彼女は周りに怯えている、嫌われないように演じているんだ。
でも、それに気づいている人は誰一人いなくて、それがあまりに不憫で可哀想だから。
俺が守りたい、そう思った。
自分の手であいつを笑わせられたらそう思った。
『ねぇ、何してんの?』
だから今日もあんたに話しかけるんだ。
好きだから
あんたの笑顔が。
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作者名:みみみみみ | 作成日時:2019年4月8日 18時