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授業が終わり、部活の時間。
この時間が私は一番好きだ。
昔からテニスを習っていた私はそれなりに上手いと言えるだろう。越前リョーマとやりあえるくらいには…。
桜乃ちゃんは壁打ちをしていた。
そこには越前リョーマが彼女に教えている姿があった。その距離は近くて、心が痛かった。
「すみません、部長…水分補給してきてもいいですか?」
「えぇ、構わないわ……具合でも悪いの?あなたらしくない。」
素の私が出てしまっていたことに気づく。焦って「大丈夫です!」と笑顔で言えば、部長は頭を撫でて、「無理をしないで」と言ってくれた。
それに返事をすると走って水道へと向かった。
それからしばらくしてコートに戻ると、そこに桜乃ちゃんがいなかった。いや、桜乃ちゃんだけじゃない。
テニス部の2年の先輩もいない。
部長に聞こうとしたが、3年は試合をしていため、聞けなかった。
同級生に聞いてもわからないの一点縛りだった。
「Aちゃんも一緒にパス練しない?」
「え、ずるい!私もやりたい!」
「…うーん、桜乃ちゃん探したいから辞めとくね!」
そう言うと誘ってくれたふたりは真顔で「そう」と答えた。
さすがに感じ悪かったのかもしれないと変な汗が出る。
「ご、ごめんね!次の部活の時は一緒にやろう!」
すると真顔で「絶対だからね」と小指を差し出してきた。私の指で絡めると笑顔に戻った。
なんだか少し怖かった。
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作者名:みみみみみ | 作成日時:2019年4月3日 22時