孤独。【チェンソーマン】 (ページ23)

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その日は比較的強めの悪魔だった

小「Aちゃん！これ終わったらご飯食べに行こ！めっちゃ美味しそうなとこ見つけてん！」

『いいね、行こう』

小「そうなればちゃっちゃと終わらせるぞーー！！」

いつもどおり、玲香が相手の力を奪って、私が触れて殺す

その筈だった

小「何でっ…！！」

その悪魔は、銃の悪魔の肉片を食べていた

玲香の攻撃は失敗
悪魔の攻撃が直撃した

玲香は弱かった

サポートでは強かったのだが、直接殺り合うとなると弱かった
だから私がいつも悪魔を殺していた

サポートが出来ない私と、サポートができる玲香

殺すことができる私と、殺すことが出来ない玲香

バディとしては最高の相手だった

『かハッ…！』

悪魔の攻撃が、私にも直撃した

お腹に大きな穴が開いて、血が止まらなかった

足に力が入らなくて、汚い土が口の中に入る

悪魔はそのまま逃げようとする

『クソっ…！！！』

もうダメだ、そう思った時だった

小「私の命を捧げます。どうか、孤独の悪魔に力を与えて下さい」

…は？

何、言ってんの？

『…何、言ってるの…？』

小「ウチ、Aちゃんの事大好きやから死んでほしくないねん

　 Aちゃん、死んだアカンで！」

そう言って玲香はパタリと倒れた

『れいっ…！玲香っ…！！』

揺さぶっても起きない

開いた目は濁っていて、胸に耳を当てても音は聞こえない

死んだ
玲香が私の代わりに死んだ

残っているのは、玲香の微温い体温だけ

『ぁぁああぁぁあああぁ…………！！！』

私が殺したも同然

「お前がその女を殺した。悪魔」

悪魔

私は悪魔

気づけば血は止まっていて、あれだけ大きかった傷口は塞がっていた

―――岸「ハイな時でもクールに脳みそを動かせ」

そうだ

いつだって、一時の感情に気を取られていちゃいけない

それこそ死んでしまう

その後は一瞬だった

私が触って、殺した

でもそれでも気が済まなかったから岩で頭を潰した

雨が振っていた

微温い体温は冷たくなっていた

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