濵田の場合 (ページ21)

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事件が起きたのは3日後だった。

学校から帰った私が玄関を開けようとしたとき、その声は漏れていた。

「てか、お前誰だよ」

『お前こそ誰やねん』

「見りゃ分かるだろ！」

『あ、隣の方ですか？お部屋間違われてますよ？』

「Aの彼氏だよ！！」

そのやり取りにゾッとして、慌てて中に入った。

そこにはものすごい剣幕で怒鳴る私の彼氏と、飄々としたお兄ちゃんがいた。

『あ、Aおかえり～』

のほほんとするお兄ちゃんに彼氏が苛立っているのが分かる。

「ちょっと、何で来たの？」

「しばらく会えないっていうから、何か隠してると思ったら、やっぱりそういうことかよ！」

『そういうことや、帰れ！』

事をややこしくするお兄ちゃんをキッと睨む。

「ちょっと待って、よく聞いて？この人は重度のシスコンを患った、私のお兄ちゃんなの。会わせたら大変なことになると思ったから、会えないって連絡したの」

『俺は健全や！』

私は彼氏を懸命に説得しようとした。

付き合って半年なんて、まだまだ楽しい時期。
この時間を失いたくないと思った。

「マジかよ…兄妹にしては似てねぇじゃん」

「確かに私は馬面でもなで肩でもないけど、正真正銘の家族なの！信じて！」

『あれ？なんかディスられてない？』

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