ha-ha

…*°29 ページ29

保健室の扉を開ければ、ガッとくる独特の匂い。



と、誰も居ないはずのベッドから聞こえてきた明らかにお取り込み中の声。
本当に保健室でする人なんているんだって、呑気に驚いてた。



「のぞむっ……」



この言葉を聞くまでは。



今確かに甘い声は望と言った。
思い当たる “ 望 ” は一人しかいなくて、そんなんじゃないよねって思える性格でもなくて。



ｶｼｬﾝ…



あ……手が当たったー…！



『誰かおるん？』



その声に反応することは出来ず、ただ口を押さえてカーテンの閉まるベッドを見てた。
この時早く逃げればよかったのに、バカだなぁ。



『誰やねん……』



カーテンは、開けられてしまった。



ワイシャツが派手にはだけた小瀧があたしを見た途端固まった。
その反応はあたしの方だっつーの。



「ごめん、すぐ出るから、あの、気にしないで」



何かあたしが悪いことしたみたい。
はぁーあ…



「先輩？どうしたんですかぁ」



…しっかり後輩に手出してんじゃない。
嘘つき。

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