青春 (ページ3)

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那須雄登ページ3

「がんばれーー！！！！」
「待ってめっちゃかっこよくない？！」
「那須先輩でしょ？ヤバいよね！！」

猛暑の中行われた球技大会。

そんな暑さよりも……

“那須ファンクラブ”の方が数倍熱い。

お目当ては１つ歳上で2年生の那須雄登先輩。

先輩が野球に出ると聞いて、大勢の先輩に恋する女子達がフェンス越しに群がっている。

『……かっこいいなぁ』

私もその中の1人。

声もかけられず、ただ見てるだけの1人。

……あ。

那須先輩、また○○先輩と話してる。

男子が話してる、かわいいって噂の先輩。

那須先輩と並ぶと美男美女だ。

「お似合いだねぇ……」
『………うん』

何となく憂鬱な気持ちになって、足で小石を踏んづけていると、

「っっっ危ない！！！！」

勢いよく、私の頭に那須先輩が打ったボールが当たった。

『っっっっいったぁぁぁーー……』

「Aちゃん！！大丈夫？！？！」

『へ？！』

「け、怪我は無い？！」

目の前にいたのは、あの、那須先輩。

『！！大丈夫です！！！』

「……良かったぁぁぁ」

本当にごめんね、そう言って去ろうとする後ろ姿。

待って、どうして、

『っっあのっ！！！！！』

「ん？」

『……どうして、私の名前！！』

ただの考え過ぎだよね。
ただの私の期待だよね。

それでも、そうであって欲しいと思うのは、

目を丸くした後に、

ボソッと

「バレちゃった？？」

っていたずらっぽく笑うあなたに

恋をしているから。