90話 メール ページ42
「ただいまー」
時刻は夕方。
自宅の扉を開けてみると、靴の数からどうやら兄はまだ帰っていないようだと推測する。
するとお母さんがキッチンから手を拭きながら歩いて来た。
「お帰りー、リコ。今日は友達のお見舞いに行ったんだっけ？」
「うん。今日の晩御飯は？」
「今日は唐揚げよ。先にお風呂入れておいてくれる？」
「はーい」
部屋に戻って鞄を置き、制服から着替える。
そんな事をしながら、今日の事を振り返った。
夏未さん情報によると、もう明日明後日には原作が始まると断定していい。
となると、一番最初のイベントは、豪炎寺君の転校イベントだ。
近いうちには転校するとは聞いたが、詳しくは聞いてなかった。
で、目下最大の課題が帝国学園襲来である。
鬼道さんもとい帝国学園に本気で来られて負けたら廃部になる。
ははは笑えねえよ。
顧問の先生も影山の息かかってるんだっけ？
もうそこまで根回しするなら影山さん社長とかになって会社経営した方が良いと思う。
絶対稼げるって。ほんと。
要はアレ豪炎寺君の力を見るだけの試合だったから、豪炎寺君を試合に引っ張り出せば事足りる話なのだ。
…兄さんに任せるしか道が無いな。
私に叱咤激励とかできんわ。
風呂を入れ終わり、宿題をしているとメールの着信音が聞こえた。
その着信音を聞いてすぐさま手を伸ばしてメールをチェックする。
──────
from 鬼道
少し、話しておきたい事がある。
今から電話をかけるが、大丈夫か？
──────
──────
from 円堂
了解です。
──────
彼が滅多に電話をかけてくることは無いので不思議に思いつつも了承する。
すぐに着信音がしたのでワンコールで出た。
「はい、もしもし」
『リコか。周りに人はいるか？』
「居ませんが…そういう類の話ですか。だから珍しく電話で？」
『さすがに察しが早いな。まあそこまで重要と言うほどでも無いが、念のためにな』
久しく聞いたアルトボイスに知らず口角が上がる。
それとはまた別に、彼が電話をしてきた意図を考える。
メールは内容を伝えるのに時間がかかるのと履歴が残るのが難点だ。
だから電話という選択肢を選んだのだろう。
だが誰かに会話内容を聴かれてしまっては情報漏洩の危険がある。
周りに人が居るかどうかの確認を求めてきたのはおそらくそういうことだ。
後書き
豪炎寺君人気高過ぎて戦慄してます。
ひええ。
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黒牡丹(プロフ) - モモさん、コメントありがとうございます。こうやって直にコメント貰えると、やっぱり応援されてるって分かって作者はとても嬉しいです。これからも精進していきますよ！ (2019年2月20日 22時) (
レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
黒牡丹(プロフ) - 夜さんコメントありがとうございます。いやほんと、ここまでお待たせして申し訳ありません……これからはなるべく早く頑張ってみます……私のペースだと完結するのに何年かかるか……。 (2019年2月20日 22時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - うおお…！密かに応援していた者です。ゆっくりで良いので頑張ってください( ´∀｀) (2019年2月17日 8時) (レス) id: 9f311d580c (このIDを非表示/違反報告)
夜 - 更新ありがとうございます！楽しみにしていたのでとても嬉しいです！これからも黒牡丹さんのペースで頑張って下さい！ (2019年2月17日 0時) (レス) id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)
黒牡丹(プロフ) - 夜さん、コメントありがとうございます。三ヶ月越しのコメント返しとか本当殴られても文句言えませんわすみません。これからはそんなに間を空けないようにしますですはい、頑張ります。これからも宜しくお願いします。 (2019年2月16日 23時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒牡丹 | 作成日時：2018年3月5日 21時
