71話 過去の ページ23
「さて、とりあえず落ち着こうか。積もる話もある」
少女は右手を掲げ、パチンと指を鳴らす。
すると、今まで無かったはずのテーブルと椅子、そして紅茶が小さな音を立てて、私たちの間に現れた。
非現実的な光景に目を白黒させる。
「なんっ、これ、え？」
「おお、本当に出た。まぁ適当にかけたまえ」
「本当にって、まさか今の」
「私からも君の夢に干渉できる様だ。いやはや面白い」
「この紅茶飲めるの…？」
「…何だかんだ言って図太いよね、君」
とりあえず敵意は無いようなので、席に腰掛ける。
紅茶は湯気が立っていて、今しがた入れたような光景だ。飲めるんだろうか。
向かい側にちょこんと座った少女がいる。小さな容姿も相まって人形のようだ。
「さて、そうだね…君も少し落ち着いたんじゃないかな？聞きたいことがあるなら聞くと良い」
「じゃあ…」
少女が紅茶を普通に飲んだのを見て私も飲んだ。ハーブの香りがする。
少しだけ神経がほぐれたのを感じ、一息ついて、
「この空間は何なの？貴女は一体何なの？私の記憶を持ってるってどういうこと？貴女は私の記憶を持ってるの？あと…」
「おい待て待て、質問が多い。せっかちはやめたまえ。急がば回れだ」
「回っても理解が遅くなるだけだもの。さっさと答えて」
「何だか警戒されてしまってるね。まあ仕方がないか」
態とらしくため息を吐かれ、ムッとした。
先程からおかしな事ばかりで、あまり頭が働かないのだ。
おまけに頭もまだぼんやりとしている。
「簡潔に答えようか。せっかちな君の為にも」
「…別にせっかちじゃない」
何だか子供のような口調になっているのを自覚して、機嫌を下げた。
彼女の前だと、何故だか取り繕いにくい。
何だか不思議な感覚だ。
「ではまず、"ここが何処か？"という質問に対してはこうだ。"この世界は君の夢の中である"。精神世界…といっても良い」
精神世界、とは。
なんとも厨二臭い…いや、聞き慣れない言葉だと思う。
夢ならたしかにぼんやりとしているのが納得できる。
ここが精神世界とか夢の世界だというなら、どんだけ今日のこと引きずってるんだという話だけれど。
少し自嘲の笑みを浮かべる。
「やっぱりそういうことになるんだ…」
「そして、私は
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黒牡丹(プロフ) - モモさん、コメントありがとうございます。こうやって直にコメント貰えると、やっぱり応援されてるって分かって作者はとても嬉しいです。これからも精進していきますよ！ (2019年2月20日 22時) (
レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
黒牡丹(プロフ) - 夜さんコメントありがとうございます。いやほんと、ここまでお待たせして申し訳ありません……これからはなるべく早く頑張ってみます……私のペースだと完結するのに何年かかるか……。 (2019年2月20日 22時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - うおお…！密かに応援していた者です。ゆっくりで良いので頑張ってください( ´∀｀) (2019年2月17日 8時) (レス) id: 9f311d580c (このIDを非表示/違反報告)
夜 - 更新ありがとうございます！楽しみにしていたのでとても嬉しいです！これからも黒牡丹さんのペースで頑張って下さい！ (2019年2月17日 0時) (レス) id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)
黒牡丹(プロフ) - 夜さん、コメントありがとうございます。三ヶ月越しのコメント返しとか本当殴られても文句言えませんわすみません。これからはそんなに間を空けないようにしますですはい、頑張ります。これからも宜しくお願いします。 (2019年2月16日 23時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒牡丹 | 作成日時：2018年3月5日 21時
