63話 質問 ページ15
まだ瞳に涙を溜めているが、泣き止んだようだ。
そのままこちらをキッと睨みつけてくる。可愛い子にやられると少しダメージがある。
「おねえちゃんまでいってくれないの？」
「いや、その」
「なんでいえないの、わたしのことキライなの？」
「そういうわけじゃないけど」
「だったらいえるでしょ、だれにもはなさないよ？」
「そういう問題じゃなくて」
「お兄ちゃんにだっていわない、ぜったいいわないもん！」
「いや、だからね」
「いわないと、ずっとなくよ！」
「えええ…」
どうやら一歩も引く気がないようで、仁王立ちの体勢で睨みつけてくる。
身体中からいかにも「わたし怒ってます」オーラをだしている。
「…えー」
あれ、さっきまでシリアスな展開だった筈なんだけど、どうしよう。
こちらをじぃーっと穴が空くほど見つめられ、重いため息をついた。
重いため息を吐くと、ピクリと彼女の体が揺れる。
そのまま目を細めてジト目で見られる。
(これ、言わないとずっと根に持たれそうだなぁ…)
下手したらここから動いてさえくれないかもしれない。
(…まぁ、いいか)
少しぐらい話しても、そこまで影響は無いだろう。
話の内容をぼかして、簡潔に伝えれば影響は無いだろうし。
「分かった、分かったから、ね？話すよ、ちゃんと話すから」
ピクリ、と結んだツインテールを揺らし、ジトッとした目で聞いてくる。
「…ホント？」
「本当、本当だから。だからあっち行こう。歩く人の邪魔になっちゃう」
「ホントだからね！ぜったいだからね！」
「うんうん、分かったから」
少しぐらいなら話してもいい、と思った時に、心が軽くなった気がしたのは気のせいですませていいのだろうか。
…ほんっと、情けないな、私は。
心の中で、そう呟いた。
「ねぇ、もしも…もしも夕香ちゃんがさ、すごく嫌な目に遭うとする。
でも、そうしないと、みんなが大変な目に遭うかもしれない。
そんな時、夕香ちゃんはどうする？」
○○○○○○○
「…あら、円堂さん、夕香さん？」
小走りで歩いているフクさんの姿をこちらが捉えると、あちらも見えたのかこちらに歩いて来た。
フクさんに手を上げて振り、戻ってきた彼女に私は笑いを返す。
「あー…えーと。少し話していたら時間食っちゃって。すいません」
「フクさん！早くいこう！」
「ああ、全然大丈夫ですよ。夕香さん、良い子にしていましたか？」
「うん！」
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黒牡丹(プロフ) - モモさん、コメントありがとうございます。こうやって直にコメント貰えると、やっぱり応援されてるって分かって作者はとても嬉しいです。これからも精進していきますよ！ (2019年2月20日 22時) (
レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
黒牡丹(プロフ) - 夜さんコメントありがとうございます。いやほんと、ここまでお待たせして申し訳ありません……これからはなるべく早く頑張ってみます……私のペースだと完結するのに何年かかるか……。 (2019年2月20日 22時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - うおお…！密かに応援していた者です。ゆっくりで良いので頑張ってください( ´∀｀) (2019年2月17日 8時) (レス) id: 9f311d580c (このIDを非表示/違反報告)
夜 - 更新ありがとうございます！楽しみにしていたのでとても嬉しいです！これからも黒牡丹さんのペースで頑張って下さい！ (2019年2月17日 0時) (レス) id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)
黒牡丹(プロフ) - 夜さん、コメントありがとうございます。三ヶ月越しのコメント返しとか本当殴られても文句言えませんわすみません。これからはそんなに間を空けないようにしますですはい、頑張ります。これからも宜しくお願いします。 (2019年2月16日 23時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒牡丹 | 作成日時：2018年3月5日 21時
