No.262 ページ17
Aside
宮「帰らないの？」
「あ、ひーちゃん。ごめん、もう帰るよ」
雨が急に降ってきた空を見て止まってしまった
宮「もしかして傘ないんでしょ？」
「...はい。」
宮「私の貸すよ。使って？」
「いいよ。それじゃひーちゃんが濡れるでしょ？
大丈夫。帽子もあるし、髪下ろせば誰か分からない
みたいだし」
髪を下ろすたびに驚かれる
だから、下ろせばバレないだろう
宮「いや、そういう問題じゃ...
風邪ひくよ？」
「平気だから。ひーちゃんも無理しないでね！」
宮「あ...ちょっとAっ！」
少し強くなった雨が降る帰り道
頑張れ
後もう少しで家なんだ
「ひっ...」
思わず声が出てしまった
でも、その後の言葉は必死で隠す
なんで家の前にあの人がいるのよ...
折角遅くしたのに...
雨に濡れながらも曲がり角で身を隠す
携帯を見ながらマンションの入り口で待つあの人
あたりを一回見回すと、帰ってくれた
流石に遅いからもう来ないと思ったのかな
でも、その顔が、
とても怒ったようで凄く怖かった。
恐ろしかった
家に帰る
濡れて冷え切った自分
酷く顔色が悪いし、震えも止まらない
濡れてることなんて気にしない
リビングまで行ってDa-iCEの曲をかける
想太くんと雄大くんと歌ってる記憶
颯と徹くん、そして大輝くんと踊っている記憶
全てを思い出す
どこか安心するのに
どこか怖い
足から崩れ落ちて座り込む
そのまま声を押し殺してずっと泣いた
心なんかもうすでにボロボロなんだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 82人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：sakura | 作成日時：2020年5月18日 6時
