No.92 ページ44
Aside
さっきから大輝くんが黙ったまま
「大輝くん、どうしたの？」
大「...あ〜、そんなに分かりやすかった？」
苦笑いをする大輝くん
「大丈夫？た、体調悪いなら休んだ方が...」
大「体調は悪くないから。そこは平気。
でも、悩みはあるかな〜」
大輝くんでも悩むんだ！
あの人が相談すると最後に「分かんないけど」を
つけるあの適当な大輝くんが！
大「...今失礼なこと考えただろ...」
「...考えてないよ！それで悩みって解決できるなら力
になるけど...」
大「本当にこの鈍感は...(ボソ」
「？」
大「...どうしたらAは俺のものになるのかな
と思ってね」
「え...？」
大「こんなに伝えてるのにAは鈍感で、動揺もしな
くて俺を一人の男として見てないの？なんて
思うぐらい。」
大輝...くん？
大「俺だけどんどん好きになって...我慢出来なくて。
こんなに好きなのにな〜って悩み。
Aはどう解決してくれるの？」
なんて、隣に座って私と目を合わせる
頬に手を当て私を捉えて離さない
ニコッと優しく微笑む君
「...違うよ。」
大「え？」
「大輝くんだけが好きって...そんなの違うから。」
私の手を頬に当てている大輝くんの手に重ねる
「私だって大輝くんのこと大好きで、ずっとどうすれ
ばいいのか分かんなくて曖昧な態度とったり...
今までだって大輝くんの行動にドキドキしっぱなし
で、でもいろんなこと考えると気持ちに素直になれ
ばいいのかも分からなくて...」
今まで溜め込んでいた思いが全部出てくる
溢れて止まらない、悩みと葛藤と大好きな気持ちが
「それでも、大好きなのは変わらなくて...
私もどんどん好きになっていって、もう諦められな
くて...」
大「もう分かったよ...A...。」
「へ......？」
急に抱きしめられて私の思考はついに停止した
大「凄い嬉しい。だから、ちゃんと言わせて欲しい」
私を離すと真っ直ぐ見つめたまま
大「俺と付き合ってくれませんか？」
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作者名：sakura | 作成日時：2020年4月6日 18時
