【BL】夫がイケメンで心臓もたない。(白目)【名前変換オリジナル】

八七 ページ37

「先生…知ってましたか」

「何が」

荒川が突然深刻な顔で俺に言ってきた。

「今、桶狭間に今川軍！！進軍してきてるんですよ！？」

「…俺がグダグダしてる間にそんなことなってたの？」

俺と信長の喧嘩やら何やらでもうこの続編ほとんど使ったぞオイ。

「そうなんですよ。今日は出陣だと思うんですけど…全く出陣の感じしないんですよね。信長さん何してるんですか？」

「あー、鷹狩に行ったけど」

「馬鹿なんですか！！」

「尾張のうつけですからねえ」

俺は何を今更とにやにやと荒川を見てやる。
今に始まったことじゃねーよな。

「まぁ、何とかなるだろ」

「尾張の終わり！！」

…くだらねぇ。どーせ、どうにかなるんだし、信長しぶといし。

「ま、頑張れよ。俺は出陣しないし、したら怒られるから」

「私死んだらどうするんですか」

「きっと土に還る…嘘だって多分未来に帰れるから」

途中まで言って、信長に負けない殺気を喰らったので冗談はやめといた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「信長、お前寝んの？」

「夜這…」

「違ぇよ」

ンなことしてたらそれこそ終わりだぞ。

「今川に攻められてんだろ？籠城すんのか、負けるぞ」

「籠城などせんわ。愚策でしかないだろう。貴様は寝ていれば良い」

「…なんだそれ」

何とかなるだろ。多分。
信長は全く動く感じもないから、俺も寝た。

夜中、月が西寄りに傾いていた頃目が覚めた。
信長の方に寝返ってみるが、そこには誰もいなかった。

「…どこ行ったんだ」

そっと部屋を出て城を歩き回る。
そのとき、ふと後ろからぺたりぺたりと足音が聞こえてバッと振り返った。


「ッ！？…な、蘭丸か…」

………なんか、身長伸びてない？あれ、俺の3分の1ぐらいしか無かった身長は？もう俺の半身ぐらい伸びてる。

「はい、蘭です。驚かせてすみません。
帰蝶様、こんな夜中にどうか致しましたか？」

「…信長は？」

「信長様は出陣致しました。家臣の皆さんも皆出ていますよ」

なんだ、結局今日出陣したんだな。
じゃあ、荒川も居ないのか。怪我してないといいな。


「確か、桶狭間の戦いは崖を降りて奇襲したはずだしな」

ぽつりと、呟いた。

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