六一 ページ11
「…ッうぅ…」
「相変わらず、緩い身体のようじゃな」
目を開けると、隣には親父が座っていた。部屋には俺と親父だけらしい。
俺は怠い身体を起こし、片膝を床に着いた。
「お見苦しい姿を見せること、お許しください。…父上」
「よい、責任はこちらにある」
「…」
「A、儂はお前に短刀を渡したな」
親父が言う短刀とは初めて話した時に信長に向けた短刀だ。肌身離さず持っている。
「儂は信長が本当にうつけならばその短刀で殺せ、と言った。そしてお前はうつけでなければ、儂を殺すことになる。そう言ったな」
確かに言った。
「もう、その様な約束忘れてしまいました」
俺は身に覚えがないように言った。すると、親父は大きな声で笑い出した。
「ッははは！！A！殺す所かお前、信長に一本取られたな？」
「！？…なっ！」
見透かされた、俺が信長に惚れたことを。俺は顔を真っ赤にして誤魔化した。
「よいか、A。愛しているなら身を引け、側室を召させろ。
分かってた。俺はそういう運命だったこと。俺は子供を産めない、きっと俺が女になったとしてもこの弱い身体は命を落とす。
信長に寵愛を受けた者は確かに側室の女だ。説にはソイツが死んだとき男泣きしたほど。
「わかっています…」
俺は珍しく気を落としていた。
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美濃からの帰り
身を引けって、まぁ関わるなってことだよな。親父にそう言われるなんて。
やっと伝えられた恋情を捨てなければいけない。こんなことなら信長を好きにならなきゃよかった。
「帰蝶様。殿がお呼びです」
池田恒興、いつも無表情だ。肝が据わっている。
「すまない、気分が悪いと言ってくれ」
今はまともに会う気にはなれない。
「っは…」
答えると恒興は馬を引き返し、信長の方へかけて行った。
片手で髪をぐしゃぐしゃに掻き、まとまっていた髪は解け、ガタッと何かが落ちた。
「…」
振り返って、手に取ると青いとんぼ玉のついた
俺は別に、女じゃないから喜ぶわけないだろ。
そうは思っていたが、簪を握り締めて、うつむいた。
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大手裏剣(プロフ) - 月夜さん» いえ！こちらこそありがとうございます。10月始めまでには公開出来るように頑張ります！ (2019年9月28日 22時) (
レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 - 大手裏剣さん» あ”あ”あ”(( レスありがとうございます!! 続編、楽しみにしてます^^ 体に気をつけて頑張ってください!! (2019年9月26日 22時) (レス) id: fafc33f615 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - 月夜さん» おわわ！！めっちゃ嬉しいです！私も信長様好きです。惚れました。恐らく、近頃続編が公開出来ると思います！楽しみにして下さると嬉しいです！！ (2019年9月26日 22時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 - 一気読みしました!! オリジナルBL読むの初めてだったんですが……………。 どちゃくそ好みでした(( いや、信長様イケメンすぎか。惚れるわ。更新頑張ってください!! 応援しています^^ (2019年9月26日 18時) (レス) id: fafc33f615 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - 月希さん» 出来れば…私のボードでお願いします。リクエストはお受けしますよ。 (2019年8月8日 11時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：大手裏剣
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oh19years/
作成日時：2018年9月14日 21時
