96話 ページ7
「気いつけて帰れよ〜！」
おっちゃん…小見山さんは部室から俺達を追い出した後しっかりと見送ってくれた。
「あのじじいさ、生徒が遅くまで残ってたら報告してくれって学校側に言われてるみたいなんだけど一切してないんだよな」
「はぁ…」
「『俺がどやして帰してるってのにあいつらにぐちぐちと説教垂れやがって文句あんのか』の一点張りさ」
らしいな、と思う。
例えばある注意されたとしても同じ間違いをする奴がいるとする。そいつは口を揃えて『分かってる』と言う。ただそれは理解してるだけでそれを参考にはしていない。根本的な所は人間は変わらないものなのだ。恐らく小見山さんが教師の言うことを聞かないのは生まれでた瞬間、または長年生きてきた中で形成された根本的な所、"らしさ"の為だ。
『そういう性なんだ。』
人間は終始この一言で片付けてしまう。
俺も人間のそれに乗ることにした。
ぐぅ〜
「…」
あ。
慌てて隣を歩く我バレー部部長を見上げるとにやにやとしながらこちらを見ていた。
…聞かれた。恥ずかしい。ゆでダコの気分。
「えっなになになに？及川さんに奢って欲しいってぇ？」
一瞬時が止まった。俺と及川さんが一緒なのもかなりレアケースであるが本来の目的はこれじゃない。俺は話を聞かなくてはいけないのだ。
「そんなあからさまに"は？"って顔しなくても良いじゃん！いくら及川さんでも傷付いちゃうよっ」
そう言いながら彼は信号を右に曲がった。
他人のペースに捲き込まれるのは何だか癪なものだ。だが確実に俺の足は曲がるべき道を曲がらずに先輩の背中を追いかけてしまっている。うむ、何か癪。調子狂う。すると彼はしかめっ面の俺を覗き込んで、微笑んだ。
「安心しな、食いながら話すさ」
ぐぉ〜
これでもかと鳴き続ける腹の虫。
「本当に腹減ってるんだね！」
ははは、と高らかに笑い声を上げるマネージャー。馬鹿にしてんのかこいつ。我、男子高校生ぞ。部活後ぞ。こちとら今にでも胃が千切れてしまいそうぞ。しかしそれっきりその虫も怒る気力をも無くしたようだったので俺は従った。
そう、部活帰りの飯といえば定番のあの場所。他の部活は知らんが、バレー部の行きつけ、もはや常連といっても過言ではないだろう。
俺達は見慣れたくすみ気味の暖簾をくぐる。ここに来たのは随分と久し振りな気がした。
「へいらっしゃい、いつものかい？」
俺にとっては聞き慣れた本日二人目のおっちゃんのはつらつとした声が店内に響いた。
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タマじろう(プロフ) - 好きです！！！！！！ (2018年2月5日 19時) (
レス) id: b5d9019b7f (このIDを非表示/違反報告)
かんとりーまあむ(プロフ) - 太宰LOVEさん» 本当にすみません( ; ゜Д゜)私も気になります…取り敢えず3月に入ったら更新再開させて頂こうと考えていますので…応援ありがとうございます、頑張ります！！ (2018年1月11日 21時) (レス) id: b3b236b351 (このIDを非表示/違反報告)
太宰LOVE(プロフ) - 及川さん…続きが気になります！負担にならない程度でいいので頑張ってください！応援して待ってます！ (2018年1月11日 20時) (レス) id: cec77dea89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かんとりーまあむ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hagen279061/
作成日時：2016年12月10日 16時
