保健室で憧れの人に、【BL】(オリジナル) (ページ3)

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episode*2 春色の中の病みページ3

グラグラする視界、鈍器か何かで殴られてるかと思うくらい、ガンガンズキズキする頭。ひどくなる吐き気。

……うららかな春、俺の周りを歩く人は皆、ひらひらした淡い服装だったり、お花見に行くのかお弁当を持っていたり、ネズミのカチューシャをして夢の国へ向かおうとしていたりして、眩しい笑顔なのに、俺は一人、精神的にではなく、身体的にものすごく病んでいた。

けど、誰かが助けてくれるわけもないし、助けを求めるようなコミュ力なんてものはないから、ぼろぼろの状態のまま、死ぬ気で家に帰ろうとした。

が、ついに俺は耐えきれず、道の隅でうずくまってしまった。しんどい、辛い……

……こんなこと、今までも幾度となくあった。俺は、すぐに体調が悪くなるから……けど、いつだって気づけば治ってた。我慢したら、いつか治る。

なのに、なんで今日は治らないんだろう……なんで、なんで……そう思えば思うほど、頭痛も吐き気もひどくなる。視界が真っ暗になって行く。

「しんど……苦し、い……」

俺が誰にも聞こえないような小さい声で呟いた時、誰かの手が背中に触れ、声をかけられた。

振り返るとそこには、すごく美形の、年齢は俺とさほど変わらないであろう男子がいた。

「君、大丈夫？体調、すごく悪そうだけど」
「……大丈夫です……休んでたら、よく、なります……」

途切れ途切れの言葉を並べながら、なんとか返事をする。初対面の人に声をかけられてるのに、しんどさで緊張すらしない。

……はぁ、大丈夫って言ったけど、本当は大丈夫じゃなかった。本当は、ずっと良くならなくて、困ってた。

でも、そんなこと、言えるわけない……初めて会った人に、助けてなんて、申し訳なくて言えない……迷惑かけたくない……