02.お片付け ページ4
「すみません、そいつに何か用ですか?」
とりあえず最初は敬語で、こちらに敵意はないんだというのを装って話しかける。すると相手はあからさまにめんどくさいなという顔をして、俺の方を向いた。
「チッ……なんだお前」
「あぁ、僕は彼と同じ高校の三年です。何かありました?」
俺が笑顔でやんわりとした口調で聞くと、絡んでいた奴らは互いに顔を見合わせ、ゲラゲラと下品に笑った。
「“何かありました?”って、馬鹿じゃねーの? どう見たってカツアゲじゃん。あ、もしかしてお前も金くれんの?」
「馬鹿やめろって。聞かなくてもこっちは三人もいるんだから、こいつに金渡す以外の選択肢ないだろ? あえて聞いたら可哀想じゃん」
「それもそうか!」
人数が多いというだけで強いと思い込んで納得し、また下品に笑う三人。
……ダメだこいつら。こんなこと言うのはアレだけど、多分頭悪い。
というか、自分からカツアゲの報告するとか、馬鹿にもほどがある。学校にバレたらまずいんじゃないの?
ま、そんなこと考えてるわけないか。
「……言いたいことはそれだけ?」
「あぁん? なんでお前が上からなんだよ、いいから早く金よこーー」
俺は、相手が“金よこせ”と言おうとした次の瞬間、相手の顔面を殴った。
「は?な、何すんだよ!」
俺がいきなり殴ったからか、すごくびっくりした顔でキレる相手。その顔でキレられても正直間抜けだ。
「……何すんだよはこっちのセリフだよ。弱い相手傷つけて、無理矢理金取ろうとして。最低だよ。人としてどうなの?」
「んなっ……そんなん、弱い方が悪いんだろ?!」
「……ふーん。じゃあ、俺がお前らボッコボコにしても俺悪くないね。だって、弱い方が悪いんでしょ?」
「こいつ……!」
悔しそうに彼らは顔を歪ませる。そして、そのまま怒りにまかせて俺に殴りかかってきた。すごく馬鹿なやり方だ。感情任せに殴ろうだなんて、一番良くない。もう少し工夫しないと、俺を殴るのは無理だ。
……なんて、心の中で相手を煽るけど、多分そんなことしてる場合じゃない。
なぜって、腕時計を見ると、結構時間が押しているのがわかる。正直今すぐに向かわないと、余裕を持って学校につくことはできない。
……けどまぁ、可愛い後輩の為だよね。
俺は軽く笑って、馬鹿な相手に笑って言った。
「……あはは、喧嘩なら買うけど、後悔するかもよ?」
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くろヰ(プロフ) - みるくプリンさん» 返信、ものすごく遅れてしまって申し訳ありませんm(_ _)m一気読みしてくださってありがとうございます!しばらく続くと思うので待っていただけると嬉しいです! (2019年10月13日 23時) (レス) id: 6ac2c500cb (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - はじめまして!すごく面白くて一気読みしました。更新楽しみに待ってますねっ(*^^*) (2019年8月13日 6時) (レス) id: 7db76bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
くろヰ(プロフ) - 霧雨量 文月さん» コメントありがとうございます!今後もお話に色々詰め込む予定なので楽しみにしていてください笑 更新頑張ります! (2019年7月19日 20時) (レス) id: 55eb3eeca7 (このIDを非表示/違反報告)
霧雨量 文月 - めっちゃ面白いです!!これからの展開がとっても気になって仕方がありません!!更新頑張ってください!! (2019年7月19日 5時) (レス) id: 1995ceb10a (このIDを非表示/違反報告)
くろヰ(プロフ) - タチアナさん» コメントありがとうございます!面白いと思ってもらえるなんて...!すごく嬉しいです!更新頑張りますね(*^_^*) (2019年7月12日 22時) (レス) id: 55eb3eeca7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くろヰ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hagemaru101/
作成日時:2019年6月24日 0時