病み少年に会いました［BL］【オリジナル】

18.悩み ページ20

「聞いてくれよ……俊」
「どうした」

俺は朝、俊に昨日の奏太のことについて話そうとしていた。

今日はたまたま二人とも部活がなかったから、待ち合わせして一緒に登校していたのだ。

……そして本当はここに奏太がいる予定だった。なのになぜか今日は「僕先行くね」と、俺を置いて一人で家を出てしまったのだ。

「昨日から奏太が冷たい……」
「えっ……マジで」

今までにこんなことはなくて、初めての内容に、俊も驚いてるみたいだった。

「やっぱり夕闇と話すのはまずかったかな……」
「夕闇……あぁ、一年の」
「俊も知ってるの？」

俊は噂とか誰が付き合ってるとかそういう話題に疎いから意外だ。

「まぁ……ここんとこ有名だから」
「たしかに……」
「はぁ……で、なんで夕闇と話したことが関係してるんだ？……正直、夕闇と話した理由の方が気になるが、とりあえず今は置いておこう」
「いや、実はさ……」

俊に聞かれた俺は、奏太が夕闇を不思議な人だと言っていたことから、そんな風に奏太が言っていたにも関わらず、夕闇に声をかけて少し仲良くなったことを話した。

ていうかしれっと夕闇と話した理由を追求してくるなよ……どうせ心配して話に行ったってわかってるくせに……

「あー……なるほど……」

俺が心の内で文句を言っている間に、俊は俺の話を聞いて考え込んでいた。

そして不思議そうな顔をした。

「俊？」
「え、あぁ……いや」
「何？なんか思いついたの？」
「……別に、なんでもない」

そう言いながらもやっぱり不思議そうな、何かを考えているような表情は変わらなかった。

なんだよ、みんな何考えてるかわかんない……

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