病み少年に会いました［BL］【オリジナル】

27.大事な話 ページ29

「あれ？ 奏太、俊。何してんの」

家の近くで立ち話をする二人を見かけたから、走って行って声をかける。

けど、声をかけてから気づいた。なんか真面目な話をしてる……？ タイミング、間違えたかな……けどもう声をかけてしまったものは取り消せない。俺は慌てて謝った。

「あ、ごめん。なんか大事な話、してた？」
「してないよ！ いつも通り、くだらない話してただけ！ね、俊くん？」
「……あぁ」

俺が謝ると、なんでもなかったかのように、奏太は俺に、嬉しそうに笑いかけた。

さっきの暗い真顔からは、想像もできない笑顔。あんな奏太は初めて見た。にしても俊、今の間は何？

二人で一体なんの話をしてたんだ……俺に言えないことか……？ 好きな奴でもできたのかな……いや、けど多分それくらいなら俺に言ってそうな……

うーん、うーん……

「兄さん？」
「へっ、あ、いや、なんでもない」

考えていたら、顔を覗き込まれ、慌てて誤魔化す。奏太と俊が俺に嘘ついてるかもって疑ってる、なんて言ったらなんて言われるか……

さすがの優しい奏太でも、「ひどいよ兄さん！」と、怒るはずだ。それは避けたい……

でも、気になる……悶々と考えていたら、しばらくして、俊が口を開いた。

「……優人。奏太。暇なら、俺の家でゲームでもしないか？」
「え？」

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