【短編集】上弦＋αには妹弟がいるようです

猗窩座兄妹のとある1日 ページ10

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　 ここは無限城。






　上下左右も不明のただただ広がる城内の一角､上弦の参の鍛練場では...







　ドガッ！ バキッ！ グォンッ！





童「今日もやってるね〜」





　...今日も今日とて､普通の部屋からしてはいけないような音が響いていた。




　術式を展開し拳を構える猗窩座に対し､彼の妹である晟崋(せいか)はその上背の倍はあろうかという薙刀を手にしていた。



猗「破壊殺・乱式ッ！」


晟「妖忌刈(ようきがり)・彼岸...ッ！」



　互いに腕を切り落とされ､骨が折れ､腹部に風穴を空けられようとも全く動じない。

　鬼であるが故､瞬きをする間に傷は治っている｡




　両者が再び構えをとったとき。





　 ベンッ....







　琵琶の音が響き､景色が一変して落ち着いた畳張りの部屋になった。



晟「時間切れ､かぁ〜」


猗「みたいだな...」



　ほっ､と息をついて背筋を伸ばし､一礼｡



猗,晟「有難う御座いました！」



　あらかじめ鳴女に､一定の時間が経過したら琵琶を鳴らすよう頼んでおいたのだ｡




猗「晟崋､お前...以前より強くなっていないか...？」


晟「それはあかにぃもだよ！せっかく黒死牟さんに秘密の特訓してもらって､あかにぃを驚愕(びっくり)させようと思ったのに...」



　頬を膨らませてぷいっとそっぽを向いてしまった晟崋に､少し目を見開く猗窩座｡しかしすぐに､どこかおかしそうに笑った。



猗「ははっ...よく頑張ったな､晟崋」



　ぽすっと頭に手を置き撫でると､すぐに晟崋もへにゃりと笑った。



晟「えへへ〜...。これからも一緒に頑張ろうね､あかにぃ！」


猗「あぁ。目指すは至高の領域だー!!」


晟「おー!!」



　改めて至高の領域へ意気込む二人。



　猗窩座兄妹は今日も平和だった。








猗(やばい今日も妹が可愛すぎるッ！)









童「いやぁ〜和むねぇ〜」

紅「お兄ちゃんキモいです〜〜お願いだからいっぺん死んで〜？」
　

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