【短編集】上弦＋αには妹弟がいるようです

　其の弐 ページ36

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　少し顔をしかめながら戸を開けた音凛｡


　ごうごうと燃え盛る炎に一瞬目を見開いたが､出火元......服を見て何となく察したらしい。




音「ご愁傷さまです..........」




　
　なんとも言えない表情である。








優「音凛は何をもらったの？」


音「花瓶です。兄者のことですから適当な壺に陳腐な花を........ということでしょうが､正直こちらの方が良い作品で......」


優「対応に困っているのね....」


音「然り。捨てるのも心苦しく......」


陽「一番困るヤツだねぇ....。
　あ､姉さん！わかめ(無惨)のことで忘れるところだったよ〜」




　メリークリスマス！と陽が手渡したのは､





優「結い紐？」



陽「うん！姉さんに似合うと思って。黒髪美人には紅色が.....っていうでしょ？」


優「...ありがと。やっぱり考えることは一緒なのね.......」




　
　少しため息をつきながら､袂から取り出した小さな袋を陽に手渡す。

　中には紅色の髪留め。




優「陽はだいぶ癖毛でしょ？時々髪を邪魔そうにしてたし､陽の黒髪には紅が映えるかな.......って」


陽「............!!!」

　





　陽の表情がみるみるうちに綻んでいく｡


　ぱぁぁぁぁ...という効果音が聞こえてきそうな状態だ。



　
陽「有難う！絶対大切にするよ！」


優「ええ､私も」







音「姉弟の絆......ですなぁ」




　



　妹弟達のクリスマスは､まだまだ始まったばかりである。
　

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