【短編集】上弦＋αには妹弟がいるようです

苦労人(鬼)、発動！ ページ19

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　横転した列車から少し離れた林の前。


鬼を滅する鬼殺隊と上弦の参との戦闘は、激化する一方だった。




　しかし柱といえど､人間と鬼。



そこには圧倒的な力量差が目に見える｡





　ゴォッと衝撃音が響いて両者の技がぶつかり合い､辺り一面に土煙がたちこめた｡



　 土煙がはれた時､そこには



　負傷しながらも回復する猗窩座と



　重症を負った煉獄の姿があった。




待機を命じられた炭治郎が息を呑む。





猗「鬼であればこの程度の傷､瞬きをする間に治る。
　しかしお前はどうだ。潰れた左目､砕けた肋骨､傷ついた内臓。もう取り返しがつかない」



　だからお前も鬼になれ､と猗窩座は再三語りかける｡



　しかし煉獄が頷くことはなかった。






　次の一撃が最期になるだろうと､煉獄は確信する｡ だがここで止めようとは思わない｡


　人々の命を守るには､自分が諦める訳にはいかないのだから。



　刀を持つ手にぐっと力を入れる。






煉「炎の呼吸 奥義 玖ノ型・煉獄!!!」



猗「破壊殺・滅式!!」




　両者の技が互いの急所に当たりかけたその瞬間｡






晟「妖忌刈(ようきがり)・菖蒲!!」



楓「血鬼術 暗雪ノ虚空」




　全員の視界に雪と薙刀が映る｡

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