玉壺兄妹のとある1日 ページ11
+
玉「あと少し...あと少しで完成...ヒョヒョヒョッ」
左右非対称の奇妙な壺に、カマキリの鎌やズタズタの魚、糸で縫われてつぎはぎのコウモリの翼をもつ鳥や、腹部と針しかない蜂。
そんな気持ちが悪いモノを次々に飾っていくのは、上弦の伍・玉壺だ。
玉「そうだなぁ、作品名は...“生命の不均等”...」
上機嫌に飾ってゆき、最後の仕上げとばかりに魚の内臓を手にしたその時。
音「
突然現れたハンマーに壺が叩き割られた。
玉「何してやがるこの馬鹿妹ォォ!!」
憤慨する玉壺に対し、壺を叩き割った張本人...いや、張本鬼であり彼の妹の音凛は悪びれもせず爽やかに笑った。
音「小生は兄者の芸術(笑)を完成させたまでで御座います!」
玉「完成?何言ってやがるこの馬鹿妹」
異常な位置に目や口がついた顔を思い切り歪ませる玉壺だが、音凛はいまだに微笑を浮かべていた。
音「兄者、形あるものはいずれ滅びる
小生は、兄者が今つくり出した『生命の不均等さ』もいつかは壊れること、そして破壊の先の希望と絶望はこの作品を割ることでしか表現できないと愚考したまで」
玉壺はその言葉を聴き、感極まったとばかりに震える。
玉「お前、そんな事を考えていたか...」
音「勿論嘘です。そんなモノ作らないで下さい。虫酸が走るので」
ぴしゃりといい放つと、玉壺の額に今でいう怒りマークがピシッと浮かんだ。
玉「んだとテメエェェェェェ!」
音「それではまた次の機会にお会いしましょう、さらばです兄者」
玉「っておいコラ待て...」
音凛は一瞬で去り、残された玉壺は
玉「おのれ音凛...次こそは、次こそは必ず阻止してやるぅー!」
と、何度目かもわからぬような捨て台詞を吐くのであった。
玉壺兄妹は今日も騒がしい(主に玉壺が)。
47人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
零(プロフ) - ケチャップさん» コメント有難う御座います!これからもどんどん辛辣になっていきます(笑)。ちょくちょく覗いていただけたら嬉しいです! (2019年12月12日 6時) (レス) id: 6fa178c93b (このIDを非表示/違反報告)
ケチャップ - 妹とかが辛辣なのめっちゃ面白い (2019年12月10日 17時) (レス) id: 0399b1d0a7 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 2人で頑張りましょう! 体調には気を付けて........! (2019年11月30日 7時) (レス) id: 6fa178c93b (このIDを非表示/違反報告)
冷月 - こんにちは。作者の冷月です!今日から私も更新がんばります!!!! (2019年11月30日 3時) (レス) id: 0628a6c5b2 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 申し遅れました、零って書いてありますがこのはです。 (2019年11月20日 20時) (レス) id: 6fa178c93b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:冷月、このは | 作成日時:2019年11月7日 15時