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それからも人ごみの中を、なんとか歩いてお祭りを楽しみつつ探し続けた。
携帯にも連絡を送ったけれど返事もない。
今頃なにやってるんだろ、爆豪さん。
思いながらかき氷をすくってしゃくりと噛んでいると、その時後ろから声が。
「…川瀬？」
ばっと反射的に振り返ると、そこには、見下したように私を見るその人が口を開いて、
「この夏の真っ只中の夏祭りにぼっち参戦？しかも浴衣で？地元の人に会いまくるのに？すごいメンタルだねさすが爆殺王の彼女！！」
「や、あの、そう言う物間さんもお1人ですよね？」
モノマネの彼に出会いました。
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「…なんでついてくるんですか」
「川瀬と一緒に回りたいなって」
「ヤです。なんか物間さんといるとやたら爆豪さんに怒られるんですよ」
「ははっ俺あいつの戦犯だからね」
「なんでちょっと嬉しそうなんですか」
ため息ついてかき氷ををすくうと、突然その手をガッと掴まれた。
そのまま自分の口に運ぼうとする物間さんに、そうはさせないと私も手に力をこめて、
そのままぐぎぎ…と引っ張り合いに。
「いいじゃん一口くらい」
「い、や、で、す！！これは私のお金で買ったんですから！！」
「ケチだなぁ公務員」
「ケチで結構。人生において大切なのは貯蓄です」
「いや意味わかんねぇよ」
「あぁっ！」
結局掴んだ手を持って、ぱくりと物間さんは私のかき氷一口を食べてしまった。
「ん、うま。もう一口」
「もう駄目です！！」
「あーんしてよ」
「もってのほかっすよそれ」
そう言いながら食われたぶんもぱくぱくかき氷を食べていると、物間さんはじーっと私を見てから、
「お前、気にしないの？」
「はい？」
「間接キスとか……」
「あんまどうでもいいです。気にしません」
「じゃあもしそのスプーンが、爆豪のだったら？」
そう聞かれた瞬間、ピタリと私は手を止めてしまった。
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作者名：すた | 作者ホームページ：
作成日時：2016年7月14日 23時
