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こつんと彼の背中におでこを当てて、ふへへっと笑いながらひっそりと囁いた。まあこんな真夜中の部屋じゃ響くに決まってるけど。
「…爆豪さん、今にも飛びかかってきそうな子犬みたい。
………ひゃ！！」
ごろんと寝返り打った彼と、ごっちん。頭突きみたいに額同士がぶつかって思わず目を瞑って、それから恐ろしさにすぐ目を開けた。
目を開けると、真っ先にいつものブチギレ顔が飛び込んできた。両肩を掴まれて起き上がれない。
爆豪さんは、私の上にまたがるように乗ってる。
「誰が子犬だてめぇ！！！」
「えっ？！え？！いや、なんで起きて…」
「阿呆が！こちとら最初から起きとるわバーーーーーカ！！」
「…はぁっ？！」
聞こえてないとばかり思ってた。
数々のひとりごとや、イタズラみたく触ってたことに一気に頬が熱くなった。急いで黒歴史なりかけな記憶をさかのぼる。私、変なこと言ってないよな？
そしてなんなんだこの煽り文句は。小学生か。たまに小学生みたいな煽り方するよなこの人。逆に今ので冷静になれた気がしなくもないけどやっぱり頬は熱かった。またがられてもそれが気にならないくらいには。
自分が寝る振りをして私のひとりごとを聞き続けたことに罪悪感を感じているのか全くなのか、爆豪さんは私の首元に「今すぐ締めるぞ」感満載のまま手を当てて、てのひらをぼんぼん爆破させている。
なんで私警察官なのに万引き犯みたいな目に遭ってるの。
「なんで子犬だよ。子犬はテメーだろ警察官サマよぉ。ヒーローなめとんのかぶっ殺すぞ」
「なめてない、なめてないですヒーロー様」
「なめとんだろが心の奥底で俺を舐め腐ってるのが今まさに浮上してきたんだろが。ぬかったな警察野郎。抱き殺してやろうか」
「変なことを匂わす発言はやめてください！全年齢対象作品なのにフラグが立ってしまいます！」
「なにえろい妄想してんだ変態」
「へんた、…」
彼氏に言われるとさすがにショックなんですけど。
思わず苦笑いを浮かべて復唱すると私を押さえつけてた手を離してぎゅっと抱きしめて、彼は私を布団の中に引き込んだ。
布団の中で彼の顔を見つめると頭の後ろに手をやられて無茶苦茶に彼の胸に顔を押し付けられる。
引き上げられた掛け布団の中はやっぱりぬくぬくしていた。
爆豪さんは私を見ないまま、何も言わないまま、ずっとわたしの頭をなで続けていた。
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「…あのー私お風呂…」
「あと10分」
「…はーい」
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作者名：すた | 作者ホームページ：
作成日時：2016年7月14日 23時
