◇きっかけは小さなもの ページ32
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「さー食え」
「ひょあ〜〜〜！！」
お昼ご飯に、爆豪シェフにオムライス作っていただいた。
「美味しい！！！」
「もっと褒めろ称えろ崇めろ」
「よっ日本一！！」
「わっはっは」
「あ！ショートさんの記事だ！イケメン！」
「………」
「はーーやっぱクールだなぁ〜かっこいいなぁ〜」
「………」
「あぁっ！！」
オムライスを皿ごとすっと下げられた。
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スプーンを握ったまま固まる私と、椅子から立ち上がって私を見下ろすバクゴーさん。
「なんのイジメですか！！」
「ショートショートうっせぇんだよてめぇ」
「え？まだ1回しか言っ…」
「やかましいわ！！」
「いつものパターン！！」
ぐわっと怒鳴られ、いつも通りの反応に思わず目を瞑って両手で耳を塞いだ。
爆豪さんが理不尽なのはいつものことです。そろそろ慣れてきました。ショートさんの優しいお手手が懐かしくなってくるレベルです。
怒鳴った爆豪さんはごとりとテーブルにオムライスをのっけて、ふんと鼻を鳴らして違う部屋に行ってしまった。
私だって怒鳴られていい気分でもないから、追わずにスプーンを取ってぱくぱくオムライスを口を運ぶ。
むしゃむしゃオムライスを頬張る。うまい。
あんなに怒鳴り散らす人にどうしてこんなに美味しいものが作れるんだ。料理は愛情じゃないのか。所詮この世は才能マンにはイージーモード人生だってのか。
「……………」
新聞の記事に乗るショートさんをぼんやり眺めていた目線が、スプーンにすくわれたオムライスに移ってから、
「……私の好きな、味付けに変わってる」
料理は愛情、だったっけ？
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作者名：すた | 作者ホームページ：
作成日時：2016年7月14日 23時
