【ヒロアカ】ヴィラン受け取り係2 (ページ24)

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「…わ、すご」

バクゴーさんについてって歩くと、ビーチの中でも比較的人の少ない所に到着した。砂浜が見えるすげえ。

感動しながら地面にパラソルをぶっさすと、「お前荷物多すぎ」と爆豪さんはため息をついて、
私は「形から入るタイプなんで」と笑いかけながら、
2人で影に入ってかき氷をしゃくしゃく食べ出す。

「バクゴーさん、あーんしてあげましょーか？」

調子に乗った私は、によによしながら彼にスプーンを差し出していた。

「ブルーハワイですよ？マジ夏ですよ？あーーん？」

ほれほれとふざけてスプーンを寄せると、何も言わずに爆豪さんはぱくっと私の差し出したそれを口に含んだ。

感動と可愛さに「……」と黙って震える私に、
隣の彼は追い打ちをかけるように口を開くのである。

「俺も食わせてやろっか？」

「え、いいんですか？！」

「ほら、口開けろよ」

あれ、夢かな。

爆豪さんがスプーンで自分のかき氷をすくって私に差し出している。

なんということか。これが恋人のやる食べさせあいってやつか。まさかバクゴーさんと実現する日が来ようとは。夏だから彼も開放的になってるのかな。ああもう好き。

こんな長ったらしいことを一瞬で考えながら、夢見がちで口を開けて食べさせてもらうのを待った。

スプーンが近づいたから口を閉じると、
その時口に入ったのは冷たい氷ではなく、

私の歯はガチンと空気を噛んだのだった。

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