◆こわいはなし ページ3
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「あっ……ちょっ………だめです、バクゴーさん、」
「あと1分我慢しろ」
「いやいやいや………や、その、私はもう！！」
がっちり足と腕でホールド。
座ったまま、逃げられない羽交い締めの中で
「無理です！！！そうだ！！！本怖なんかより録画してた笑点見ましょう！！！私めっちゃ好きなんです！！」
「は？笑点？」
「そうです！日々面白いキャラになるために！私は毎週この番組で勉強ーーー」
「くっだらねー。あ、オラ始まるぞ」
「イヤァァアア！！！」
始まった夏の風物詩、本〇にあった怖い話。
時計の針が揃って始まったプロローグに、
私はお構い無しに叫び声を上げた。
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ギシ………、ギシ………、
テレビから鳴るお決まりの音。
わかってるし。こっからドバー！！と出てきてキャー！！って金切り声でしょ。
わかってる。わかってるし。
全然怖くなんかないし。
「何ブツブツ言ってんだてめえ」
「しっ！！来ますよ！！」
体育座りした私の後ろから、私を離さまいと抱きしめる(固定する？)爆豪さんは、
私の肩に顎を乗せたまま余裕しゃくしゃくでそう言った。
そんな私は近距離にドキドキする暇もなくサッと両手を出して耳を塞ぐ準備をする。
テレビの中のBGMが盛り上がって、、、
3、2、1。
「え」
サッと耳を塞ごうとした手は、爆豪さんによってつかみ取られ、
「よーく見とけ、」
無駄にかっこいい声でそう言われた数秒後、
テレビのタレントの皆様とともに、
私は無様に金切り声を上げたのだった。
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作者名：すた | 作者ホームページ：
作成日時：2016年7月14日 23時
