◆潮騒とカモメ ページ19
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「…よし」
着替えて、日焼け止めもばっちり。
手には浮き輪とサーフボード。
サーフィン私はできないけど、まあ彼にやらせればできるだろう。才能マンだし。見る専しよ。
そう思いながらさっとパーカーを羽織って、ファスナーを締めると外に出た。
平日っていってもさすが日本。ビーチは人だかりで、足跡のついていない砂浜の方が珍しいくらい。
「…海だ」
お祭りときて、今日は海。
まじパリピかよ。ウケる。しかもお相手は人気ヒーロー。
「海だああああああ！！！！」
ひとりで叫びながら駆け出すと、周囲の人はぎょっとして私を見る。
気にせず私は、ビーチサンダルを履いて水着の男女だらけの砂浜へと駆け出した。
バクゴーさんと、海に来た！！
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着替えて待ち合わせのはず。
でもまあうきわとか膨らせてたし(もちろんバクゴーさんは手伝ってくれない)私の方が遅いと言っておいたから、先に彼がこっちに出てるはずで。
人まみれの夏休みの砂浜をぺたぺた歩く。
いろんなカップルや子連れが沢山いる中、
でかい浮き輪とサーフボードを両手で抱える私は超邪魔だった。
「こいつ邪魔なんだけど」的な視線を浴びながら人混みをかき分けていると、ひときわ女の子が集まっているところが目に付いた。
たくさんのビキニに囲まれて、キャーキャー言われる真ん中の人。
ヒーローでも来てんのか？
…この時から少し察しは付いていた。
囲まれてると言っても周りは女の子で、真ん中の彼は男だから頭一つでっぱってるわけで。
だいぶ引っ張ったけど簡潔に言うと、
水着女子に囲まれる男性は他でもない私の彼氏だった。
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作者名：すた | 作者ホームページ：
作成日時：2016年7月14日 23時
