【33】欠伸 ページ33
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「あー喉かわいた」
「………」
「オレンジジュース飲みたい」
「………」
「なんか金魚飼いたくなってきた。お祭り行きたい。名前にドドリゲスって付けたい」
「ブツブツ気持ちわりぃ独り言言ってんじゃねえよ」
「あ、すんません。思ったこと口に出ちゃうタイプなんです」
それからくああと盛大にあくびをすると、
爆豪さんは呆れ顔で、「色気ねーの」とため息ついた。
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「この間のだんまりはなんだったんだよお前。幻か？」
「いやー緊張してたんですけどね。まあ吹っ切れますよね。あんな無理矢理キスされちゃあ。もともと私は積極的ですし」
「つくづく可愛げねーなお前」
「えっまさかああいう奥手な感じがタイプですか？」
「お前が黙ると気持ちわりぃから論外」
「ふふ。ならいいです」
色気のない会話。刺のある言い争い。
無益な会話。甘さも何も無い雰囲気。
これが、私と彼のお付き合い。
「ばっくごーさん♡」
「重い」
「好きですー♡♡」
「無視かよすっげぇな」
椅子に座る彼の上に、またがるように座ってにっこり笑うと、
嫌そうな表情を浮かべながらも、爆豪さんが私の腰に手を回す。
私は彼の首に両手を回して、ぎゅーっと身体と身体を密着させた。
がっちりした腕や肩に、頬ずりするみたく顔をくっつけながらにこにこ笑って、
「ふふー………ん？」
「あ？」
とんでもないことに気がついて、
バッと顔を離して爆豪さんと至近距離で目を合わせた。
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作者名：すた | 作者ホームページ：
作成日時：2016年6月25日 21時
