【19】脚立 ページ19
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「川瀬。今日の昼一緒しよーぜ。何好きなん？」
「肉です」
「お、俺も好き。ステーキとかどうよ？」
「行きます！もちろん上鳴さんの奢りですよね？」
「は？無理」
「えー。爆豪さんは奢ってくれたのになー」
「マジで？！！」
気持ちの引き締まる火曜日。
今日も1日頑張ろう。軽い彼ともに。
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資料室をひたすら漁ってたら、チャージズマヒーロー上鳴電気さんがやってきた。
「え？爆豪が奢ったってそれマジ？エイプリルフール？」
「リアルガチです」
「嘘つけよ〜」
「マジです。あと下から覗こうとすんのやめてもらえますか」
脚立で上の方の資料を探す私と、その下に体育座りする上鳴さん。いやおかしいだろこれ。
「ごめん絶景で」
「でもパンツは見えないでしょ」
「いや見えてる」
「うぇっ？！」
「え？！」
ぐらり。動揺した私の振動がモロに伝わり、漫画のごとく私は脚立から床へと落っこちた。
そしてまたまた漫画のごとく、気づけば私は、上鳴さんの上に馬乗りになって落ちていたわけで…
「あははすみません上鳴さん。痛くなかった」
「…さっさと降りろ」
「えー？やだなぁ私軽いんだからそんな嫌そうな顔しなくても」
「いいから降りろバカ！！」
「な、なんでキレてるんですか…」
何故か必死の形相な上鳴さんに気圧されて、わたしはよいしょと身体を動かして立ち上がろうとした。
…その時、足に何かが当たって、
そこ に視線を向けると
「……たってるー」
「〜〜〜ッ、川瀬！！早くしろ！！」
顔を赤くする上鳴さん。さっさとどいて立ち上がって、上半身を起こしただけの彼に手を差し出すと、「いらねえよ」とぷいとそっぽを向かれた。
私はにっこり笑って彼に言う。
「チャラく見えますけど……意外と純情？」
「川瀬こそ。意外と男慣れしてんのな。わりと胸デカいし」
「は？いつの間に触っ………死ね！！！」
「なんで？！！」
そのへんにあったほうきを掴んで追いかけっこの大騒ぎに。
「川瀬！！いつまで資料探してんだ！！」と先輩に怒鳴られるまで、私と上鳴さんのはしたない追いかけっこは続いていた。
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作者名：すた | 作者ホームページ：
作成日時：2016年6月25日 21時
