ロリ呪霊、拾ってきた。【五条悟】

11話 ページ11

.








硝子に連れられ廊下に出ると、開口一番デカいため息をくらった。




「……で、あの子をどうするつもりだ？
　上層部に知られでもしたら面倒だぞ、あんなしっかり意思疎通のとれる呪霊を匿ってるなんて」




案の定、硝子には嫌な顔をされた。まあ想定内。




「呪術師になってもらおうと思ってさ、ただ祓うより面白そうでしょ？」


「面白そうって、アンタねぇ…」




呪いは呪いでしか祓えないんだ、ならあの子は強い呪術師になれると思っている。


それに気まぐれで拾っただけのつもりが、僕は存外あの子を気に入ってしまった。


今さら誰に祓えと言われても聞いてやれそうにない。





「上にはまぁバレたらバレたでいつもみたく上手く丸め込めばいいさ、何とでもなる」


「楽観的だな…面倒事には巻き込むなよ」




はいはい、と適当に返すとまたため息をつかれた。


まあ実際、いろいろと考えなければいないことは山積みだ。


さすがに頑張らなきゃいけないな。




「…ま、手が空いてたら協力してあげる。
　勝手に拾われて勝手に呪術師にされるAが可哀想だし」


「勝手に、か……そうだね」




痛いとこ突くなぁ。


ただ僕は、彼女が後悔しないように精一杯出来ることをするつもりだ。


生前はどんな環境でどう生きてきたかは分からないけど、死後の今があるなら少しでも幸せと思わせてあげたい。


これは僕のエゴだ、それでも。


それが、もう将来の無い彼女にとってのささやかな贈り物になればと願う。

12話→←10話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す