3話 ページ3
.
泣き疲れたのか自分の腕の中ですやすやと眠る、一見すればただの子供に目をやる。
さらさらとした長い髪の、フリルのワンピースを着たまだ幼い少女の呪霊。
こんな呪霊、今まで聞いた事も見た事も無い。
街中で突然特級相当の呪力を感じ駆けつけてみれば、まさかこんな呪霊がいるとは。
多少騒ぎにはなっていたけれど、人にまだ危害がなくて良かった。
でなければ否応なしに祓わなければならないところだった。
……というより、本当は最初から祓うつもりでいたのに、僕は存外気まぐれだったらしい。
「……さっきは本当に驚いたんですよ。
急に迎えを頼まれるのは慣れてますけど、まさか呪霊を連れてるなんて」
「いやぁ、たまたま見つけちゃってさ」
あはは、とおどけて見せるとミラー越しに呆れたような顔をされた。
そんなあからさまな顔しなくたっていいじゃないか。
「その呪霊、どうするんです?
ただの幽霊だなんて嘘までついて…」
「とりあえず高専に連れて帰る、後のことはそれから考える!」
「また適当な……上に知られたら面倒ですよ」
「わぁかってるって、そんときも適当に言いくるめればいいさ」
「はぁ…」
起きる気配のまったくない少女に目を戻す。
見たところ人間に敵意は無いようだし、しっかり教え込めば……。
と、そこまで考えて自身の可笑しな思考に笑いが込み上げてきた。
「ふはっ、ねぇ伊地知」
「……なんですか」
「呪術師の呪霊、って面白くない?」
1581人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まっちゃ - すごく面白いです!更新待っています! (2021年11月8日 22時) (レス) @page9 id: bd6a8b3525 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - とても面白いです。無理しない程度に更新頑張ってください!応援してます。 (2020年12月24日 19時) (レス) id: d92207b260 (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - 夢主ちゃん、めっちゃ可愛い!H×Hのアルカに重ねて読んで毎回萌えてます!!もしよければ1話だけでも「おねだり」テーマに書いてもらえると嬉しいです。 (2020年12月14日 23時) (レス) id: 58c76fca2c (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草 - 「悪いおばけじゃないよ」が、脳内で「悪いスライムじゃないよ」に何故か変換されました (2020年12月13日 12時) (レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
氷雨霰 - 大丈夫だと思います!初コメ失礼しました!(コメントの文字数制限が来たので再びコメントさせていただきました) (2020年12月13日 0時) (レス) id: 7e61cd56ff (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぷっち | 作成日時:2020年12月9日 20時