気まぐれな猫【血界戦線】 (ページ6)

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６匹目ページ6

『はぁ、疲れた』

「だな。でも楽しかっただろ？」

『………まぁ、悪くはなかった』

帰り道、途中までザップと同じ道なので一緒に帰っていた。

歩きながら、さっきの対戦を思い出す。

「まさか、あそこでレオに抜かれるとは思わなかったなー」

『あの人、以外と上手かった。
ゲーム好きなのかな』

「明日聞いてみればいいじゃねーか。
どうせ暇だろうし」

『………そうだね』

深夜の比較的静かな道を、肩を並べて歩く。

しばらく歩いたところの分かれ道で、二人は止まった。

『じゃあ私、こっちだから……』

別れを告げ、右へと進もうとするA。

その手を、ザップは無意識に掴んで引き止めた。

『………なに？』

「あ、いや……なんでもねぇわ」

『…へんなザップ、じゃあね』

Aはくす、と笑って掴まれた手を解いた。

するりと解かれたザップの手が、寂しく宙をきる。

振り返らず歩いて行くAの後ろ姿を、見えなくなるまでザップは見つめていた。

「A…俺になんか隠してるだろ……。
俺ぁそんなに頼りねぇのか……？」

まだ手に残る彼女の体温を感じながら、ザップはそう呟いて夜空を仰いだ。