【文スト】 光の少年と闇の少女

二十二話、救済への賭け ページ34

鏡花「多分死罪。三十五人殺した私は、生きている事が罪だから…それにポートマフィアに戻っても、私は処刑される」

敦が口を開こうとしたその時

？「処刑？」

敦の体から血飛沫が上がった。鏡花は慌てて後ろを振り向くと

芥川「処刑などせぬ。お前は任務を為果せた」

何台も黒塗りの車が止まり、その騒ぎを聞き警察官が出てくるもポートマフィアの威嚇射撃により止むなく戻っていった

芥川「欲しい縫いぐるみが手に入った…お前の体には発信器が埋め込んである。お前の居場所お前の行動は全て筒抜けだ」

芥川はそう言い、敦をコンテナへ投げ入れる。そして芥川は、鏡花の髪を掴み

芥川「…帰るぞ。Aはコンテナの中だ」

〜コンテナ〜

そこには、敦を見つめて佇むAが居た。すると

鏡花「どうして…？私は…」

そう声を発する鏡花に

A「一度貴女を連れ戻さないと、鏡花。貴女を光に行かせられないんですよ」

鏡花「どう言うこと？」

A「今の貴女は、裏切者では無く、探偵社に潜入していると言う事になっています。私がそう仕向けました。あとは賭けです。此奴が兄様に勝てば貴女は無事に光に行ける」

敦を指してAが静かに言った

鏡花「どうして…此処までするの？ただの妹弟子でしょ？」

鏡花の問いに

A「初めて見た鏡花は、昔の…ポートマフィアに入ったばかりの私に似ていました。だから放って置けないんです。私はもう、光に行く事は叶わない。だったら…貴女が望むのなら、私は貴女を光に行かせたい。」

そう言い、鏡花に“二つの物”を渡した

鏡花「これは？」

A「一つは見ての通り拳銃です。時間稼ぎ程度にはなるでしょう。もう一つは…この武器庫に仕掛けた爆弾の起爆釦。誰がやったか分からない様になっていますので、大丈夫です」

そう言うと

A「私は外に行きます。鏡花、どうかお元気でまた…いえ、さようなら」

そしてコンテナを出て行った

鏡花「…姐様…」

鏡花は、起爆釦と拳銃を握りしめた

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