【文スト】大人びている少女、武装探偵社にて奮闘中【弍】

七十五話、蒼の使徒 ページ49

敦「Aちゃん！国木田さんが犯人が分かったから行くって！」

医務室の扉が空き、敦がAに声を掛けた

A「分かりました。佐々木さん、失礼します」

信子「お気をつけて」

Aは頷くと、医務室から出て行った

〜港〜

四人は、あの廃病院に向かった時のタクシーに乗っていた

国木田「悪いな、急に頼んで」

運転手「電話で、連続殺人事件の犯人が分かったと仰っていましたが、これから犯人逮捕に向かわれるのですね」

運転手の問い掛けに

国木田「そうだ」

頷く国木田。そして運転手が

運転手「ならば、急ぎましょう！目的地はどちらです？」

そう聞くと

国木田「此処だ」

運転手「は？」

予想外の言葉に間抜けた声を出した運転手に国木田は続ける

国木田「誘拐現場は此処で、犯人はお前だ。お前はタクシーに乗った被害者に催眠ガスを嗅がせ気絶した所を誘拐したんだ。自分は防毒マスクを被ってな」

国木田の推理に敦が

敦「一体何の目的で…」

そう聞くと、太宰が

太宰「目的なら想像は付く、出荷だよ」

敦「出荷？」

聞き慣れない言葉に疑問を抱いた敦。すると太宰が再び答えた

太宰「だから売り飛ばすのさ。裏社会には臓器密売の闇市場がある、海外市場で売るから、日本円で凄い値が付く訳じゃないけど、単独犯なら一財産だよね？」

太宰の回答を聞き、敦が

敦「ひどい…」

すると、運転手が慌てた様に

運転手「いやいや、お待ちください。このタクシーで誘拐されたのなら、被害者の足取りを追う市警が気付かない筈ないでしょ？」

そう言ったが

A「いいえ、誰もこのタクシーには注目していませんでした。何故なら、被害者が姿を消し、足取りが確認できなくなるのは次の日以降だからです」

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