【文スト】大人びている少女、武装探偵社にて奮闘中

二十五話 或る爆弾 ページ27

そんな風に考えている敦に太宰が

太宰「聞いてくれ、敦君。社員では無く、犯人に面が割れていないのは君だけだ」

確かにその通り、この状況で一番最適な人材は敦。だが

敦「…！でも…僕が行っても…何も出来ませんよ…！」

と、目を固く瞑り、太宰に訴える。だが太宰は段ボールを漁り乍ら

太宰「大丈夫。少しの間、犯人の気を逸らしてくれるだけで良い。後は我々がやるから」

そして太宰は段ボールから出した物を持ち乍ら

太宰「そうだなぁ、君なら相手の意表を突く様な駄目人間の演技でもして気を引くのは如何だろう？」

そして新聞やら何やらを敦の前に差し出し

太宰「はい、小道具」

と、今日一番の笑顔で渡してきた。しかし、未だに不安そうな敦に対し太宰は

太宰「信用し給え。この程度の揉め事、我々武装探偵社にとっては」

其処で謎のキメ顔をして

太宰「朝飯前だよ？敦君」

〜〜〜〜
敦「や、や、やめなさ〜い！こ、こんな事して何になるぅ…きっと親御さんも泣いてるよ…？」

完全なる屁っ放り腰である。それを見た犯人は

犯人「何だアンタ！！」

怒鳴られる。そして

敦「ヒ、ヒィ…！ご、ごめんなさい…！」

尻餅を着いて滅茶苦茶怖がって居た。しかし犯人は

犯人「アンタ、探偵社の人間じゃ無いな？」

その言葉に敦は掛けていた新聞を犯人に見せ乍ら

敦「み、み、見ての通り、通りすがりの新聞配達です！」

それを見た犯人は未だ警戒し乍ら

犯人「新聞配達の人が何の用だ…！」

その言葉に敦は

敦「い、幾ら憎いからって…人質とか…爆弾とか…よく無いよ…生きていれば、きっといい事がある」

敦のその言葉に犯人は

犯人「いい事って？」

敦「え？」

予想外の質問につい、え？と返す敦、だが犯人は

犯人「だからいい事って何？！」

その犯人の威圧に耐え乍らも敦から出た言葉は

敦「ち…」

犯人「ち…？」

敦「ち、茶漬けが食える！！茶漬けを腹一杯食える！！！」

予想斜め上の回答に国木田もガクッとなっている。そして畳み掛ける様に

敦「天井のある所で寝られる、寝て起きたら朝が来る！当たり前の様に朝が来る！ぁ…で、でも…爆発したら、君にも僕にも朝は来ない…何故なら死んじゃうから…」

その言葉に犯人は

犯人「そんな事はわかってる！！」

だが敦は

敦「えぇ！？いや〜…辞めた方が良いと思うけどな」

と、ヘタレ丸出しの動作で犯人の説得？に掛かる敦

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